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ー バッテリートラブルが多発
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ー 補償ゼロ「売りっぱなし」状態

 未来の旅行スタイルとして話題の“乗れるスーツケース”。電動モーターを内蔵し、ハンドル操作で自動走行、その時速は約10km。重いスーツケースを引く必要もなく、広い空港を歩いて移動することからも解放……といいことずくめのように思える。

 今年初め、人気番組『行列のできる相談所』で、新庄剛志やフワちゃんが大はしゃぎで乗っていたのを覚えている人も多いだろう。“監督賞決まりだね! コレ、めちゃくちゃいい”と、ビッグボスも大絶賛だった。

 また4月には日本でのドーム公演を終えた『BLACKPINK』のリサが仁川国際空港に到着した際にスーツケースに乗って登場。“あれはどこのメーカーのもの?”とSNSを騒がせた。

バッテリートラブルが多発

 話題のこのスーツケースは中国企業・A社の製品だ。同社公式サイトには“出勤や観光手段に”との惹句がある。だが、日本での販売元のひとつである通販サイトでは“日本国内では本品の公道使用は禁止されています”“駅や空港、キャンパス、イベント会場といった公共施設では事前に許可を取ったうえでご使用ください”との注意書きが。旅行のストレスを軽減するスーツケースのはずが、空港利用も事前許可が必要となると、話は全然違ってくる。おまけに公道での走行がNGならば、一体どこで乗ればいいのか。

 いろんな疑問符がつく、“乗れるスーツケース”。だが、同社の製品に詳しい関係者によれば、実はもっと大きな問題があるという。

「A社は電動の乗り物が主力製品なのに、とにかくバッテリートラブルが多いんです。10万円以上する電動バイクでも、1か月乗らずにいただけで、バッテリーが過放電でダメになって充電できなくなってしまう。バッテリーの価格は商品価格の3割、それが購入者の負担になるんです。勘弁してくれよと」(関係者、以下同)