他にどんな例があるのでしょうか。

「500円弱」は、500円より少し多い額?

 たとえば「500円弱」と聞いて、「500円より少し多い額ではないか」と思う若者がいるようです。

「えっ」と驚く方もいるでしょう。

 耳を疑う話ではありますが、「弱」=「少し多い」という意味に捉えている現代の若者が少なからずいるのです。

 すなわち「500円弱」なら「500円+弱」であり、さしずめ510円とか520円といったところでしょうか。

 NHK放送文化研究所が、「若者と言葉」について最近行った調査結果によれば、たとえば「7割弱」のことを「70%以上」とした回答が、20代では19%あったそうです。では、「7割強」をどう解釈しているかというと、若者全体で「75%~」という、ややオーバー気味の答えが目立ったといいます。

「~弱」や「~強」という言い方も、若者にはあまりなじんでいないのは事実のようですが、いずれにせよ、間違いはきちんと正さなければなりません。

 500円弱とは、500円に満たない480円とか490円などのことだと、誰か大人は教えてあげるべきです。

 実は、似たような例が、時間の解釈関係でもう一つ存在します。

これもまた上の世代は知っておくべきです。コミュニケーションの溝をさらに深くしな いためにも――。

【時間における若者の解釈:推理クイズ】

問:「6時10分前」を5時50分のことだと思っていない若者がけっこういます。では、何時何分を意味していると思っているのでしょう。

(※答えは、記事の最後に)