事務所全体がイメージダウンのリスク

 理由はまだまだ考えられる。

 旧ジャニーズ事務所がテレビ局や出版社などに圧倒的な力を有していた当時は、仮にその熱愛が真実だったとしても、否定や無視という方法で報道を揉み消すことができたのかもしれない。だが、現在はマスコミ各社にそんな圧力をかけられる神通力は残っていないのだろう。

 また、以前は熱愛報道に対して大衆が「どうせ付き合ってるんでしょ」とほぼ確信していたとしても、否定や無視することで臭い物にフタをすることができていた。

 けれど、いまそんな強引かつミエミエの揉み消し行為をした日には、事務所が世間から大バッシングを受けることになりかねない。熱愛報道が出たタレント一個人のイメージダウンにとどまらず、事務所全体が壊滅的なイメージダウンを被る可能性もある。

 ほかにも、タレント流出阻止の目的もありそうだ。

 昨年の9月と10月にジャニーズ事務所が会見を行って以降、人気の所属タレントたちが続々と離れていき、独立の流れが出来上がっている。そのため現在の所属タレントたちも、結婚を反対されたり恋人と別れることをうながされたりすれば、さらなる流出に歯止めがかからなく可能性も考えられる。

――今回考察したような背景があり、新事務所が結婚を許し、恋愛報道を否定しなかったのであれば、今年はまだまだ旧ジャニーズアイドルたちの結婚・熱愛が続くかもしれない。2024年も旧ジャニーズ界隈にとって、波乱の一年になりそうだ。

堺屋大地●コラムニスト、ライター、カウンセラー。 現在は『文春オンライン』、『CREA WEB』(文藝春秋)、『smartFLASH』(光文社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『日刊SPA!』などにコラムを寄稿。これまで『女子SPA!』(扶桑社)、『スゴ得』(docomo)、『IN LIFE』(楽天)などで恋愛コラムを連載。LINE公式サービス『トークCARE』では、恋愛カウンセラーとして年間1000件以上の相談を受けている(2018年6月度/カウンセラー1位)。公式Twitter:https://twitter.com/sakaiyadaichi