目次
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ー 大阪市内に140か所の喫煙所設置を目指すが
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ー 喫煙所設置の補助金制度に問い合わせが殺到
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ー 全国に先駆けて喫煙所設置を積極的に推進する千代田区
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ー 喫煙所設置に加えて日々のパトロールも効果的

 いよいよ2025年4月に開催が迫る大阪・関西万博だが、海外パビリオンの建設の遅れ、会場建設費の膨張など課題は山積している。国内外からの観光客の増加が見込まれる中、深刻な問題になりそうなのが会場となる大阪市の喫煙所不足だ。 

大阪市内に140か所の喫煙所設置を目指すが

 2020年4月に改正健康増進法が施行され、オフィス、工場、公共施設など原則屋内は禁煙になった。「吸う場所」の減少は健康増進にはつながるかもしれないが、喫煙者にも居場所は必要だ。喫煙所を整備しなければ路上喫煙の増加、ひいては非喫煙者に煙の迷惑を及ぼすことになる。

 大阪市では現在、御堂筋、梅田、難波など一部のエリアを路上喫煙禁止地区に指定し、違反者には過料1000円を科している。大阪・関西万博は「健康」をテーマに掲げており、市は2025年1月をめどに「市内全域の路上喫煙禁止」の方針を打ち出した。それに合わせて、吸う人と吸わない人が共存できる分煙環境の整備として、新たに120か所の喫煙所の整備と、20か所の既存喫煙所の改修を目指している。

  大阪市の昼間人口308万7000人のうち喫煙者は63万人と推計し、その中で路上・公園等でよく喫煙するとアンケート回答した喫煙者の割合を踏まえると、約13万5000人が利用できる喫煙所数として120か所、さらに万博開催による観光客の増を見込んで民間の既存喫煙所の改修による一般開放20か所という設置目標値を定めたという。

 喫煙所整備を進める、大阪市環境局事業部事業管理課まち美化担当に進捗状況を聞いた。

「2023年12月時点で市が維持管理する喫煙所数は7か所で、そのほか公設喫煙所7か所について整備を行っています。それ以外にも整備に向けた調整を行っているものもありますが手続きを進めているところなので、具体的な件数等はお伝えできません」(大阪市担当者)

 果たして140か所の喫煙所で足りるのか。大阪市の商店会総連盟の独自調査によると、必要とされる喫煙所数は367か所と出ており、遠く及ばない。商店街周辺の喫煙所不足によって客足が遠のき、売り上げに悪影響を及ぼすことも懸念されている。ただ、喫煙所整備は行政のみの力では難しいのも現実だ。