昨年佳子さまが述べた言葉

 昨年9月、佳子さまは宮城県の東北大学で開催された「女子大生誕生110周年・文系女子大生誕生100周年記念式典」に出席。式典の挨拶で佳子さまは、東北大学の「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」の取り組みに触れながら、このように述べた。

「同質な集団で、同じような考え方ばかりを共有するのではなく、いろいろな人が力を発揮し、意見を交換できる環境であることは非常に大切です。このような環境では、新しい視点や価値観を歓迎し、当たり前と感じていたことに疑問を持って、これまでになかったものを見いだし、つくり出すことができると思います」

 最近、よく耳にする「多様性(ダイバーシティ)」というのは、ある集団の中に異なる特徴や特性を持つ人が共に存在することだ。人種や国籍、性別、宗教など、異なる社会的、民族的な背景を持つ人たちが、そうした違いを認め合い、尊重し合いながら共存していくことが、今の世界で求められている。

 皇居前で私が目にしたのは、まさに人種や国籍などが違う多種多様な訪問客たちだった。時代は激しく動いている。異国からの参観者たちの目に、日本のプリンセス、佳子さまはどのように映るのだろう。

文/江森敬治

えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に『秋篠宮』(小学館)、『美智子さまの気品』(主婦と生活社)など