なお、今回一般読者から募ったアンケートではこんなあるあるが寄せられた。「主要人物がみんな近所に住んでいる」(東京都・36歳・男性)、「20代の一般職なのに、一人暮らしの部屋が広すぎる」(山梨県・29歳・女性)

「一人暮らしの部屋が豪華なのはトレンディードラマの時代から続くあるあるですね。見栄えを良くするためなのはわかりますが、現実離れしすぎでは?」(かなつさん)

 片や、現実世界のコンプライアンスに合わせて過剰な暴力シーンはほとんど見られなくなった。しかしビンタだけはセーフなのか、いまだに見かけることがある。

「普通、何があっても人を殴ることはありませんよね。ビンタだって今の時代なら即通報されてもおかしくないですよ」(かなつさん)

日常的に事件をもみ消す警察上層部

 警察ドラマにも、あるあるは多数。鉄板なのは「警察幹部の親族が起こした事件は、絶対にもみ消す」(岐阜県・52歳・女性)というもの。

ドラマの中の警察は、日常的に事件をもみ消している印象です。日本の治安が心配になります」(かなつさん)

 また、優秀なハッカーの存在も、警察ドラマには欠かせない。

ドラマに出てくる天才ハッカーは、企業の顧客リストを盗むのは朝飯前で、政府の極秘システムに潜入したり、低解像度の画像を超鮮明な画像に変えたりと、無敵の存在です。なんとなくカッコいいイメージがあるから、そういうポジションにされやすいんでしょう」(かなつさん)

 組織からシステムを盗む際の記録媒体はなぜかUSBで、コピーするまでに、ものすごく時間がかかるのもお約束だ。

 優秀なハッカーと並んで頻出なのが、「『いろいろと知っている隣人』が出てくる」(北海道・57歳・男性)。

「聞き込みに行くと、ドアからひょっこり顔をのぞかせて、『お隣は先週引っ越しましたよ』と言ってくる隣人も必ずいますね。『そういえば最近、お客さんがよく来てたみたいだけど』なんて詳細な情報までくれたり。話を一気に進められる便利な存在です」(かなつさん)