「2割特例」というお得な計算方法

 期間限定の方法とは「2割特例」という計算方式を用いて消費税額を計算するもの(ほかに「原則課税」と「簡易課税」という計算方式もあり)。

 2割特例は、これまでは免税事業者だったが、インボイス制度がスタートしたことで消費税を納税しなければならなくなった人だけが使うことのできる計算方式だ。

※2021年以降に年間の課税売上高が1千万円を超えたことがある人は2割特例を使えない年もあり。詳しくは国税庁ホームページを参照。

「2026年9月30日までの一時的な経過措置ですが、ほとんどの人の納税する消費税額が一番お得になる計算方式だといえます」

※卸売業を営む人など、ごく一部の人は2割特例のほうが損をすることもある。卸売業は“特別控除税額”が2割特例より高いため、仮に卸売業の売り上げしかない場合、2割特例にすると納税分の消費税額が多くなってしまうため。卸売業を営んでいる人は税理士に相談するのがおすすめ。

 と専門家が言うのだから使わない手はない。ごく簡単にいうと、2割特例というのは売り上げにかかる消費税額のうち2割だけ払えばいいというシンプルなもの。計算方法も難しくない。

「付表6」という書類を順に埋めていけば、納めるべき納税額が算出できる。

 実際に提出する書類は付表6のほかに、「消費税申告書 第一表」と「消費税申告書 第二表」も必要だが、これまで毎年、国税庁のホームページなどから確定申告を行っている人ならば、その2つはそんなに難しくないはず。

 2割特例に必要な付表6の書き方をマスターして、ぜひ必要以上に税金を納めることなく申告してほしい。

※e-Taxを使用して申告する場合は、売上額の入力前に売上税額の計算方法を聞かれるが、原則的に割戻し計算を選択すればOK。