アジアに関心を持つようになった

 1985年8月、当時19歳だった秋篠宮さまは、学習院大学などの友人たちと初めてタイの調査旅行をしている。佳子さまのタイ旅行から遡ること18年も前のことだ。'85年11月30日、秋篠宮さまは20歳の成年となったが、その直前に初めて記者会見を行った。その際、「いちばん行きたい国はどこでしょうか?」と尋ねられ、次のように答えている。

「夏にタイを訪ねてから、アジアに関心を持つようになりました。日本と文化、生活習慣が違っていて興味深い。アジアの国々を訪れ、さらに深く知りたいと思います」

 '03年11月の会見で秋篠宮さまは、このようなことも話している。

「本とか写真とかではいろいろなそういうものに触れる機会はあると思いますけれども、私自身の経験からいっても実際にそのものを見るという、そのことが非常に大切なことだろうと思っております。また、国王陛下、王妃陛下、シリントーン王女殿下、王族の方々とお目にかかってお話をしたという経験も本人たちにとって大変、大事な経験だったと思っております」

 SNSが発達し、インターネット上に写真や映像が飛び交う現代社会で、人と人が直接、会うことの大切さや「実際にそのものを見(たり)」、実物にじかに触れてみることの重要性を力説した秋篠宮さまの発言がズシリと心に響く。「私自身の経験からいっても」という言葉どおり、秋篠宮さま自身の豊富な海外体験などに裏打ちされた言葉だけに、より重みがあるのだろう。

 昨年の佳子さまのペルー公式訪問のスピーチや立ち居振る舞いなどが、タイ旅行当時の小学生の佳子さまとは比較にならないほど堂々としていた。'24年に佳子さまは、国際親善の舞台でどのような活躍を見せてくれるのだろうか。

<文/江森敬治>

えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に『秋篠宮』(小学館)、『美智子さまの気品』(主婦と生活社)など