ガヤ芸人・フジモンを確立も、代役たちが優秀で……

 フジモンと言えば、数々の番組でガヤ要員で重宝されてきた人物だ。声量もあり、とっさのアドリブにも強い。そのため、トーク番組での登板率も高かった。

 一方でその藤本が活動自粛となって以降、その穴埋めのため、各番組では別の芸人がひな壇に座る機会が当然増えてしまった。そして存外、藤本なしでも十分に成立する番組もあったのが皮肉なところだ。

 たとえばテレビ朝日系バラエティー番組『アメトーーク!』。そもそも元MCの片割れ(宮迫博之)が出演しなくなっても成立していることからも分かるように、この番組は企画のフォーマットがそもそも秀逸なのだ。

 ガヤ芸人たちの座するひな壇には若手、中堅、ベテラン芸人がバランス良く配置されており、藤本不在の間もしっかりと質を落とすこともなかった。

 また、フジテレビ系『さんまのお笑い向上委員会』でも、おなじみの座組が藤本のいない間も縦横無尽の活躍で人気を堅守している。

 松本という“藤本の実力を認める有力者”のいない中での復帰は、藤本が活動自粛中にも奮闘していた芸人たちの頑張りによって、相当な努力がなければ難しくなってしまった現状だ。

 さらに昨年12月24日放送の『M-1グランプリ』で一躍名声を高めた「ヤーレンズ」、「さや香」、同年優勝者の「令和ロマン」ら強力な後輩たちの露出は確実に増えており、藤本にとっては彼らの存在は大きな脅威になる。

急いで復帰も、懸念される当て逃げの悪影響

 ひと昔前。芸人の不祥事はある意味で芸の肥やしや、ツッコミどころとして重宝されていたような時代もあった。

 しかし現代では些細な不祥事が原因でスポンサーが撤退することもあるし、不祥事芸人の起用を躊躇する風潮もかなり強まっている。

 そもそも、当て逃げ事件となると被害者が存在するわけで、たとえ被害者との全面的な和解が成立していたとしても、不祥事芸人としてある程度世間からの冷たい視線を浴びることは、誰であっても避けられない。