“レジェンド”との共通点

 水原氏の突然の解雇により、負担が増えるかもしれない真美子さん。家族に話を聞こうと、都内の住宅街にある実家を訪れると、ちょうど真美子さんの母親が帰宅。記者が声をかけるも、「すみません、すみません」とだけ残して、足早に家の中へと入っていった。

 メジャーリーガーのパートナーが遠征先に行くことはよくあることなのだろうか。現地で取材するスポーツライターの梅田香子さんに聞いた。

「どこの球団も1シーズンに1回は“ファミリーデー”という日が設けられており、選手と同じ飛行機に乗って遠征先まで一緒に移動できますが、毎試合というのは難しいです。ですが、アメリカ国内の飛行機に自由に乗れる契約を球団と結んでいたり、自費で家族を連れてくるという選手は多いです。子どもがいても家庭教師のような人を雇って、妻を遠征に連れてくる選手もいます

 偉大な日本人メジャーリーガーの先輩も、妻が遠征先で手厚いサポートをしていた。

「イチローさんの奥様も遠征先まで来ることがよくありました。イチローさんの場合は奥様が先に帰宅して、イチローさんが戻った時には普段どおり過ごせるように家の中を整理するなど、かなり献身的に支えていました。大谷選手の場合はこれまで水原さんがプライベートの部分もサポートしてくれていましたが……。ただ、真美子さんはスポーツ選手だったので、アスリートへの理解もあるでしょうし、大谷選手にとっていいパートナーになりそうです」(梅田さん、以下同)

'99年に結婚したイチロー。弓子さんは遠征にもついていくなど、献身的に支えていた
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 イチローと大谷にもある共通点があった。

イチローさんも“一弓”という犬を飼っていて、“自分の息子”というほどの愛犬家でした。犬にとって飛行機や引っ越しはストレスになります。遠征中や、移籍で新しく家を買ったときにはトレーナーに一弓の世話を任せていました。愛犬家のメジャーリーガーは多いですから、大谷選手も信用できるトレーナーを紹介してもらえるかと思います。韓国での開幕戦にはデコピンを連れてきていないようでしたので、もしかしたら、すでにトレーナーが見つかっているかもしれません」

 単純に遠征に同行するといっても、そう簡単なことではないようで。

「国内移動といってもアメリカは国土が広く、基本的に飛行機での移動です。ドジャースの本拠地があるロサンゼルスは西海岸。ニューヨークなど、東海岸への遠征となると、5~6時間ほどのフライト時間に加えて時差もあります。さらに、真美子さんにとっては、初めてのアメリカ暮らしで、言語も環境も日本とは全然違います。大谷選手の遠征先についていき、サポートするのも決して楽ではないでしょう」(前出・スポーツ紙記者)

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梅田香子 スポーツライターとして、野球以外にもフィギュアスケートやバスケットボールなど多くのスポーツに精通。現在はアメリカに在住し、大リーグを中心に取材活動を行う