何をやりだすかわからないのがトランプ

「金利政策はあくまで一例でしかなく、対中政策、温暖化対策、移民問題などありとあらゆる面で何をやりだすかわからないのがトランプさん。極端な政策下では、マーケットは単純に株高、株安とわかりやすい動きをするのではなく大きく乱高下する可能性が高い。投資家にとってはこれがいちばんのリスクです。新NISAで投資を始めたばかりの人たちは、しばらく様子見したほうがいいかもしれませんね」

 最後のポイントは、イスラエルとパレスチナの戦争の行方だ。

「トランプさんは思いっきりイスラエル寄りの方。“もしトラ”はイスラエルにとっては追い風ですので、パレスチナに対する圧力や攻撃をさらに強める可能性が高い。そうなると中東情勢は急激に悪化していき、結果的に日本への石油の供給が滞ることも予想されます」

 すでに現時点でも、この戦争はさまざまな方面に飛び火している。イスラエルは、パレスチナ自治区を支配するイスラム組織・ハマスを支援するイランと対立を深め、4月1日に在シリア・イラン大使館を攻撃。4月14日には、これに対するイランの報復行動が問題になったばかりだ。

イスラエルとイランの全面戦争なんてことになればもう悪夢。日本に石油が入ってこなくなれば日本経済はもちろん、私たちの生活もめちゃくちゃになってしまいます」

 '70年代の第四次中東戦争は世界中で「オイルショック」を引き起こした。日本ではトイレットペーパーの買い占めが象徴的だが、消費者物価は当時20%も値上がりし、日本の高度経済成長を終わらせた原因とされている。あの狂乱が再び起こることもあり得るというわけだ。