目次
Page 1
ー 名作アニメの舞台化で座長に
Page 2
ー 人のために心を燃やす
Page 3
ー 超人的な力がもらえるなら?

「あの“コナン”を自分が演じるのか」

 加藤清史郎(22)が、ゆっくりと噛み締めるように語る。宮崎駿の初監督アニメ『未来少年コナン』が、加藤主演舞台化されることが発表された。

名作アニメの舞台化で座長に

 トヨタ自動車CMの“こども店長”など子役時代の活躍が印象的だが、近年はドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』の好演など、実力派俳優として頭角を現している加藤。次は名作アニメ舞台化に臨む。

「出演が決まって最初に感じたのは、自分がコナンを演じるのか、というプレッシャーです。それと同時に、やってやるぞという気持ちも湧いてきました。うれしさよりも、相当な覚悟を持って取り組まないといけない作品に出合ったな、と身の引き締まる思いでした」

 インタビューしたのは、本稽古の前段階としてのレッスンをしている時期だった。

「今は演出家のインバル・ピントさんに身体表現を教えてもらいながら、修行しています。超人的なコナンを舞台上に存在させるには、まずは自分の身体を知ることが土台になると思ったので、普段は使うことのない感覚や部位を刺激しまくって、敏感で繊細でしなやかな身体づくりをしています。毎日行っている、自分と向き合う修行です」

加藤清史郎 撮影/齋藤周造
加藤清史郎 撮影/齋藤周造

 本稽古に向けた準備を日々の“修行”と称して己を律するところに、彼のストイックさが垣間見える。座長という役割に対するプレッシャーも強く感じているのではと思ったが、

「それは感じようとしたらいくらでも感じられてしまうので、あえて今は考えないようにしています。座長という部分に重きを置いてしまうと、コナンとして舞台に立てなくなっちゃう気がしていて。

 座長ができることは身に余る光栄ですし、自覚は常に持っていたいと思っていますが、かといって特別に意識したくはないというのが本音です。自分から考え込みにいくのは、やめておこうかなと。

 でも最終的には、清史郎があんなに頑張ってるなら、と周りの人に思ってもらえるような存在になりたいと思ってます」

 と、なんとも頼もしい答えが返ってきて“こども店長”の成長ぶりに思わず驚いてしまう。