高齢者からそっと課金。そのやり口が汚い!
「高齢者がネットで手続きをするなんて簡単じゃない。携帯ショップの窓口での相談も無料じゃなくて30分いくらと課金されます。そこで手続きがわからないと言えば、携帯電話教室に誘導されてまた課金……。
お年寄りは知らん間にこうやっていろいろ課金されてるんやないですか。お父さん、お母さんが一人暮らしやったら、チェックしてあげたらええと思います」
各電力会社は数年前から、東京ガスは昨年11月から紙の払込票の有料化を進め、いずれは水道料金の請求書も同様に有料化される見通しだ。
「銀行なども紙の通帳は有料化して、WEB通帳がおトクになるキャンペーンを打っています。対人の窓口業務なども減らしているので、今後は銀行での相談も、携帯ショップのように課金されるんやないですか。あちこち人件費も上がっているので仕方ないかもしれませんが」
少し前にみずほ銀行では、通帳繰り越しの手数料が1100円も取られることが話題になった。紙の通帳を持たず、すべての請求書をペーパーレスにすることで、年間5000円近く節約になるという試算もある。
「紙に関するものでいえば、今後すべて課金されるでしょうね。例えば駅の券売機で切符を印刷して出すのはすごくコストがかかるもの。今後は券売機で買う切符は値上げという形で、ICカードとの差異化を図って課金していくのではないでしょうか」
ちなみに、筆者の近所の居酒屋では、お通しの無料サービスのキャベツが終了し、本屋に行けば、ブックカバーが有料になった。歯科医の予約を取り消せばキャンセル料が課金され、自転車のタイヤに空気を入れようとしたらこれまた課金、スーパーでパック寿司を買ったら、しょうゆもワサビもレジ袋もついていない……。
課金時代の幕開けに庶民は震えるばかりである。

取材・文/ガンガーラ田津美