朝ドラ『花子とアン』で“かごの鳥”だった蓮子(仲間由紀恵)を自由な世界へと連れ出した駆け落ち相手・宮本龍一役で広く知られた中島歩。出演によって、いろんなことが変わった?
「そんなに変わらないです(笑い)。でもアルバイトをせず、芝居の仕事だけで過ごせるようになったことは、すごくうれしくて。目標にしてたことですし、光栄です。幸せなことだと思います。親戚や友達には“調子に乗るな”と言われますが(笑い)、そんなに顔が知られてる実感はないです」
どんなバイトをしてたの?
「重機の搬入。東京ビッグサイトなどで開催される就活セミナー用のパーテーションや机を運んだり、バラしたり。超イヤでした(笑い)。ちょうどひとり暮らしを始めたときだったのですが、すぐ体調を崩すようになって。現場も殺伐としてたし、あんまりいい思い出はないですね(笑い)。でも、それが“自分はここにいる人間じゃない”というモチベーションにもつながったと思います。あとは飲食ですね。ゴールデン街、居酒屋、そば屋さんでもやりましたね」
そんな下積み時代の経験をバネにブレイクした中島の初主演映画『グッド・ストライプス』が、いよいよ公開される。演じたのは、優柔不断なおぼっちゃま・真生。別れも視野に入れていたマンネリカップルに妊娠が発覚する。結婚準備をする中で、改めてお互いを知っていくという物語。授かり婚については、どう思う?
「どうでしょうね? 自分の周りの人を見ていると、子どもができるという大きなきっかけがあったほうが、結婚に踏み切りやすそうですね。長く付き合っていると、けっこう“どうするの?”ってグダグダしていっちゃうと思うので」
と肯定的。好きな女性のタイプは、チヤホヤされてきていない人、とのこと。
「わかりません? “私を見て”みたいな気持ちが根底に強くある人は苦手というか。価値観というか、羞恥心が自分と似ている人がいいですね。何を恥ずかしいと思うのか。それが似てるといいなと思います」
本作での神前式では、紋付羽織袴姿を披露。とてもよく似合っている。
「ありがとうございます。顔が古いってよく言われるんで(笑い)。大学では落語研究会に入っていたので、着物は着慣れているんですよ」
『グッド・ストライプス』 ●文化系女子の緑(菊池亜希子)と、優柔不断な真生(中島歩)は交際4年のマンネリカップル。別れてもいいと互いに思っていた中、妊娠が発覚。もめながら、結婚準備を進めるうちに、今まで知らなかった相手のルーツをたどることに……。5月30日(土)より、新宿武蔵野館ほか全国公開。