「普段の生活では、危機管理はまったくできていないです。決め事といえば、飲みに行くぐらい、かな(笑い)」

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撮影/佐藤靖彦

 堤真一が、そんな素顔とは対照的に企業を守る危機管理のスペシャリストに扮する、フジテレビ系連続ドラマ『リスクの神様』(7月8日スタート、毎週水曜夜10時放送、初回15分拡大)に主演する。

 主人公の西行寺は、唯我独尊、目的のためなら手段を選ばない。

「ドラマの題材が骨太なので、演じる側がシリアスになりすぎると、見ている側が疲れちゃう。ちょっと抜けたところもある、魅力的な人物になればと思っています」

 民放ドラマの主演は実に16年ぶり。役者人生は30年を超えるが、人や作品との"出会い"に影響を受けてきた。

 デビュー当初、アクションをやりたかったのにケガで断念した20代。興味のなかった舞台が、坂東玉三郎が作る世界観に魅了され、ホームグラウンドになった。

「自分には向かない」と敬遠していた連ドラに、30代で出演するようになり『やまとなでしこ』は高視聴率をマークし、一気に知名度を上げた。

 公私ともに充実した40代について聞いてみると、

「身体の疲れが取れなくなるようになったおかげで、家に来てくれるマッサージの方と出会うことができた」と笑わせつつ、「20代は話すのが苦手で取材嫌いだったけど、いまはこうやって好きなことをしゃべっているので、そのあたりは変わったのかな」

 そして迎えた50代。

「もっと心に余裕を持つためにも、自分自身のモノの見方や価値観を柔軟にしていきたいですね。それにはいろんな人と仕事を通じて出会うことが大切で、今回のドラマはそのひとつになると思う。そのなかで自分が楽しめることができたら、どんなに(心身が)しんどくてもうまくいくと思っています」