よいものをできるだけ長く

能登半島地震の被災地にお見舞いの言葉を述べた天皇陛下
能登半島地震の被災地にお見舞いの言葉を述べた天皇陛下
【写真】園遊会招待者に振る舞われた、豪華すぎない「おもてなしメニュー」

「天皇陛下が学習院初等科時代に使われたランドセルは、お父さまである上皇さまのおさがりでした。このように皇室の方々は、よいものをできるだけ長く使うよう心掛けながら生活を送っておられるのです」

 この“質素倹約”の姿勢は天皇陛下も大切になさっている。

「陛下は独身時代、お妃の条件として“ティファニーに行って、あれやこれやと物を買うようでは困る”とお話になられたことがありました。そして実際に結婚された雅子さまは、お召し物やアクセサリーを丁寧にお手入れされ、時には手直しをされながら、繰り返し使われるなど、過剰な贅沢は避けるお方です。独身時代にお召しになっていたコートやカバンを結婚後も変わらず使われるなど、物持ちがよろしいのです」

 地に足の着いた経済感覚のご両親に育てられた愛子さまもまた、過度な贅沢は避けるお考えをお持ちのようだ。その象徴となるのがティアラのエピソードだろう。

「女性皇族は成年に際して、儀式で着用するティアラを作成するのが皇室の習わしです。しかし、'21年のコロナ禍に成年を迎えられた愛子さまは、国民の生活が経済的にも思わしくないことを慮り、ティアラの製作を辞退されました。そして、コロナ禍が落ち着いた現在も、物価高によって生活が困窮する国民を思い、ティアラの新調はなさらず、叔母である黒田清子さんのティアラを使われ続けているのです」

 内廷費を窃取した職員はすでに全額を弁済したという。それでも、日々国民を思い、質素倹約な生活を送られる皇室の方々への背信は決して軽いものではない。