通勤は自転車で往復で30分。帰宅すると「プールでひと泳ぎしたような疲れや筋肉痛がありますが、自分のリハビリにもなっています」とうれしそう。ただ、多少収入が増えて暮らしにゆとりが生まれても元の生活レベルに戻すつもりはない、とキッパリ。
食事の固定観念を捨てた
「何年もかけて生活をミニマムにしたので。今までの反省も込めて、2人とも給料は大事に使っていくつもりです」

両家の両親が西国参りをしていたので、その足跡をたどってみようと夫婦で始めたお寺巡り。三十三か所まで残り4か所 写真提供/pokkomaさん
というのも、かつては食費だけで月に10万円はかけていたのだとか。
「外食も多かったですし、子どもたちが帰ってくるたびにごちそうをたくさん作るのが常で(笑)。今はそれをやめて買い物の回数も減らし、加えて食事の固定観念を捨てて一汁一菜でもいいと思えるようになってから、月に5万円台に抑えられています。働いていたころは散財しがちだった美容費や被服費も、ほとんどかけていませんし、今後もそのつもりです」
これからは旅など「経験」にお金をかけたいと話す。
「お給料をちょっとずつ貯めて海外にいる友達に会いに行ったり、しばらく中断していた西国参りに夫と一緒に出かけられるといいなぁと」
昔は“私ばっかりしんどい思いをしている”と夫に不満を抱き、50代のころは別居していたというpokkomaさん。しかし、その関係性はいつしか変わっていった。
「暮らしを小さくして目線が変わったら、誰かと比較することもなくなったんです。いまでは“あなただったから、私が好きなことをいっぱいできた”と感謝しています」
取材・文/荒木睦美
pokkomaさん YouTubeチャンネル「pokkoma life」運営者、主婦。何げない日常のひとコマを投稿。現在のチャンネル登録者数は3.1万人。著書に『60歳を過ぎてから見つけるちいさな暮らしの幸せのヒント』(学研プラス)。