NHK連続テレビ小説『あんぱん』が好評だ。そんな中、ある登場人物の早すぎる死が物議を醸している?
父の死は朝ドラのセオリー?
「ヒロイン・のぶ(今田美桜)の父・結太郎(加瀬亮)が1週目で亡くなってしまい、退場となりました。加瀬さんをもっと見たかった、という声がNHKにも結構届いたようですね」(スポーツ紙記者)
しかし、主人公の父が早々にいなくなることは“朝ドラのセオリー”だという。
「現在お昼に再放送中の『とと姉ちゃん』(2016年)の父親役の西島秀俊さんも1週目で結核で亡くなる役柄だったので、あまりに早すぎる退場に驚いた人も多いでしょう。ただ、父親の死は主人公の成長に欠かせないので、避けられない宿命なんですよね」
と、朝ドラに詳しいライターの成田全さんが、ここ3年間の朝ドラの主人公の父について語る。
「前クールの『おむすび』では父の聖人(北村有起哉)は胃がんになるものの、回復。『虎に翼』(2024年)はヒロインの寅子(伊藤沙莉)が30代のときに父・直言(岡部たかし)が栄養失調からの肺炎で亡くなっています。
2023年朝ドラの『ブギウギ』はスズ子(趣里)が大人になってから養父・梅吉(柳葉敏郎)が病死(実父も故人)、『らんまん』ではスタート時点で万太郎(神木隆之介)の父は故人でした」(成田さん、以下同)
続けて、
「2022年の『舞いあがれ!』では舞(福原遥)の父親・浩太(高橋克典)は舞が20代の就職前に心筋梗塞で急死、パイロットを諦めて家業のねじ工場で働くことを決めた、物語の転換点となる死でした。
『ちむどんどん』では暢子(黒島結菜)が小学生のときに父・賢三(大森南朋)が多額の借金を残し、心臓発作で死亡しています。こちらは子役ターンのときなので早い退場でしたね」
主人公の父役のイケメン俳優が早々に退場する現象について、
「モデルがいる場合はおおむねその人生をベースに描いているので“早すぎる”は当てはまりません。西島さんが早々に退場した『とと姉ちゃん』は、ヒロインの常子がとと(父)の代わりとなって家族を守ることが物語のテーマ。実際に常子のモデルの大橋鎭子さんは11歳で父親を亡くしています」
と「早すぎる退場」を否定。
「大物俳優が主人公の祖父母や両親を演じると放送前に話題になりますし、死によって物語から退場することで《ナレ死》などと話題にもなるので無駄とは思いません。朝ドラは主人公に試練が課されるので、登場人物の死は物語の展開上、避けられないもの。それは俳優も織り込み済みです。
2020年以降に放送された11作品中、物語で描かれた主人公とその配偶者の父親(実父、養父含む)17人のうち、父親が死ななかったのは『おむすび』、『カムカムエヴリバディ』(3人目ヒロインひなたの父親)、『おかえりモネ』の3人だけ。ドラマ終了時の生存率は2割以下なので、かなり低いですね」
今後もイケメン俳優の早期退場は免れそうにない!?