さらに死後の居場所も確保しているというから驚きだ。

30代のときに1年間お墓を探して、浅草に特別永代供養のお墓を購入しました。私が死んだときはここに祭ってもらえるよう、ありとあらゆる人に伝えています

女友達を増やす活動を頑張っている最中

 最近は女友達の存在も独身生活の支えになっている。

「記者時代は、彼氏と同様、女友達と遊ぶ時間もなく、疎遠になっていました。でもフリーになってから、友人と食事をしたり、温泉旅行に行ったりできるように。悩みを相談したり、お互いを思いやれる関係に幸せを感じています。

 女性同士だから相手が何に困っているのか想像しやすいのですが、私は何といっても家事全般が苦手。できるだけ想像力を働かせるように努力をして、女友達を増やす活動を頑張っている最中です

 これまでは仕事の虫で、不規則な生活をしていたが、フリーになって健康を意識した生活をしようと心がけている岩田さん。母親と同居し、介護で大変な時期もあったが、今は施設で過ごしてもらい、最近は趣味を楽しむ時間をつくるように。

「ダンス教室に通い始めました。TRFの曲に合わせて、シニアでもできる動きで踊るんですが、とても楽しいんです。また、仕事で絵日記を描いたときに、子どものころ描いていた楽しさを思い出したので漫画にチャレンジしようと思ったり、ピアノをまた弾き始めたり。

 本を読む、映画を見るといった一人の時間も若いころより味わい深くなっていますし、寂しくなれば女友達とおしゃべりをして過ごせばいい。この先、結婚することはほぼないと思います(笑)

取材・文/紀和 静

いわた・あきこ 千葉県生まれ。東京大学法学部卒業後、1996年NHKに入局。岡山放送局で記者として岡山県警察や岡山地方検察庁などを担当。2000年東京放送センター報道局政治部へ異動、官邸記者クラブに所属。2002年当時官房副長官だった安倍晋三元首相の番記者を担当。歴代内閣で首相官邸や外務省を担当しながら、20年以上にわたって安倍元首相を取材。2013年、解説委員室へ異動、政治担当の解説委員と政治部の記者職を兼務。2022年7月NHKを退局し、フリージャーナリストに。