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 働くお母さんたちの心強い“味方”病児保育の現場を舞台にした原作コミックの同名ドラマ化したドラマ『37.5℃の涙』(TBS系 木曜夜9時~)。

 蓮佛美沙子は民放の連ドラに初主演し、ヒロイン・杉崎桃子の役作りのため35センチ髪を切っての熱演も話題に。

「(主役として)座長のスタンスや現場の雰囲気づくりは人それぞれだと思います。主演が決まった時、私ならどうするか考えていたら、数々の作品に主演なさっている俳優さんから、深く考えないほうがいい、とアドバイスをいただいたんです。それでふっきれました。現場ではあまり気負わず、役に集中させていただいています。撮影も中盤を過ぎてお疲れぎみの方がいたら声をかけたりしますが、私は現場にいる時間が長いからいろいろ気づくことが多いだけだと思っています」

 細やかな気配りを忘れない蓮佛に近見哲平プロデューサーは“座長の理想像”と太鼓判を押す。タイトルの37.5℃とは、ボーダーライン。

 子どもの体温がこれを超えると、仕事中でも保育園に迎えに行かなくてはならない。欠勤、早退できないお母さんたちをサポートするため、自宅に訪問して子どもの世話をするのが病児保育士の仕事。

 桃子は保育士だったが、幼いころに母(浅野温子)から受けたきょうだい差別のトラウマから、笑う時、どうしてもぎこちない笑顔になってしまう。

 それが原因で保育士をクビになり、訪問型病児保育を行う「リトルスノー」へ。上司の朝比奈元春(成宮寛貴)の支援や、先輩の関めぐみ(水野美紀)の姿を見ながら、懸命に一人前の病児保育士をめざしている。

「不器用だけど、何事も前向きに立ち向かっていく姿が大好きなんです。子どものまま大人になってしまったような桃子を視聴者のみなさんに応援していただけたら、とてもうれしいです」

 ドラマはリトルスノー、病児保育の訪問先、桃子の実家と、3つのシーンでさまざまな人間関係が描かれる。それぞれで物語が展開される欲張りな構成で、現場でのエピソードもいろいろありそうだ。

「朝比奈の娘の小春(鈴木梨央)、利用客の篠原健介(速水もこみち)の息子の健太(横山歩)のほかにも、たくさんの子どもが登場しますが、無邪気な男の子に比べ、女の子は本当におとなびています。私が疲れていると頭をなでてくれるし“休んでいい?”と冗談で聞くと、“いいよ。監督さんに言っておくから”って(笑い)。4~5歳なのに、すでに母性があるんですよ」

 篠原親子と遊園地に行くシーンを撮影した際には、子役の世話に終始する速水の姿を目撃。“いいパパになる”と直感したそう。

 佳境に入り、蓮佛が今後の注目ポイントとしてあげるのは2つ。

 ひとつは母との確執だ。夫の介護を桃子にさせたい母は、退職願を携えて、リトルスノーを訪問している。母に愛されてこなかったが、役に立ちたいと、桃子は心揺れる。

「浅野さんはとても可愛らしい方ですが、富美子になった途端、なんでこんなに怖いんだろうって思うほど、迫真の演技をなさいます」

 と感心しきり。もうひとつは桃子、篠原、朝比奈の恋の行方。

「前回(8月20日)の放送で桃子が篠原に告白するのを朝比奈が偶然目撃して、きれいな三角関係に(笑い)。少女漫画が原作なだけに、キュンキュンしますよ! このドラマについて聞かれるのは“どっちとくっつくの?”がいちばん多いんです。私もまだ結末を知らないので、楽しみです」  

 どちらと結ばれても桃子ならうまくいくだろうというのが、蓮佛の予想。

「意外なところで、実は主税さん(藤木直人)とか?(笑い)」