「各紙の地方版には告示後、2人の候補者プロフィールが掲載されましたが、最終学歴を“東洋大”とする田久保市長に対して、小野氏は“焼津水産高”と、堂々と“高卒”であることを掲げています。
投票では、候補者の“学歴”も参考にした有権者がいたことも否めません。それこそ2023年の市議選では“滑り込み”の最下位当選だった田久保市長です。いくら自身で“東洋大卒”と公表していなかったとしても、市民から批判の声が上がるのも当然です」(前出・記者、以下同)
落選した小野前市長の退任の日、
「(8年間)続けてきた流れを必ず取り戻す気概を持って、1つ1つ精進して伊東のためにやれること探していく。8年間に渡りまして誠にありがとうございました」
2017年の初当選より勤めてきた、市役所での涙の退任会見。それでも「必ず取り戻す」と、次の市長選での“リベンジ”も誓ってみせた。
こちらは“無所属”を謳うも自公推薦
仮に田久保市長が辞職となれば、再び市長選がやり直される見込みだが、そもそも市議会議員2期の田久保市長が当選できたことにも理由もありそうだ。
「市長選の争点となったのは、小野氏が約5年間にわたって推進した、建設費用が約42億円にも膨らんだ“新図書館計画”。莫大な公金が注がれることに市民から反対の声も上がっていた中で、計画の“中止”を訴えたのが田久保市長です。
そして“無所属”を謳っている小野氏ですが、実は自民・公明の推薦です。同氏の8年間を含めて、30年以上にわたって自民派市長が市政を握ってきた現実があります。昨今の“自公離れ”によって浮動票が流れたと見られ、自ずと対抗の田久保市長を選んだ有権者も多かったのでしょう」
「詐称はない」とするも結果として有権者を“欺いた”田久保市長と、再任の際には新図書館計画を再開させるであろう自公推薦の小野前市長。全国区の騒動となっているが、頭を悩ませるのは有権者である伊東市民だ。