冷蔵庫の掃除やメンテナンスで節約
長く使っている冷蔵庫ほど、こまめに掃除することを心がけてほしいという阪下さん。
「最近は機能も充実していますし、高性能な冷蔵庫が多いので、あまりないかもしれませんが、10年以上同じ冷蔵庫を使っているご家庭だと冷凍に霜が回ってきてしまい冷気がうまく回らなくなっている可能性があります。まずは週に1回程度、定期的な霜取りを心がけてください。
また冷蔵庫の扉にあるパッキンが緩んできていたりすると、どうしても隙間が空いてしまい庫内の温度が上がってしまうトラブルにつながります。劣化を防ぐためにも定期的にメンテナンスしてください」
今の時季、お手入れという点では、見落としがちなのが製氷室だ。
「夏場はほかの季節より使う頻度が増える場所ですが、長く使ってない場合、汚れている可能性があります。各メーカーの取り扱い説明書にお掃除方法が載ってます。実は使えない洗剤やNGのお手入れ法などあるかもしれませんので、必ず説明書を確認してから、掃除していただいたほうがいいかなと思います」
どうしても臭いがとれない、冷蔵や冷凍性能が下がっているなど、気になる点が増えた場合は思い切った買い替えをおすすめする。
「実は電気代節約の効果的な方法の一つは、古い冷蔵庫を最新の省エネモデルに買い替えることです。技術の進歩により、最新の冷蔵庫は効率的に冷却し保冷能力を維持する一方、消費電力を大幅に削減するなどかなり性能が上がっています。その分高価になってはいますが、長い目で見れば電気代は節約できると思います」
冷蔵庫を正しく使用することは、節約にもつながる。経済産業省資源エネルギー庁によれば、家にある家電の1日の消費電力割合として、エアコンに次いで大きいのが冷蔵庫だ。
特に夏は17.8%、冬では14.9%と消費電力量も大きくなりやすい。猛暑が予想されるこの夏、冷蔵庫の冷気をなるべく外に出さない工夫が電気代の節約につながるという。
そして、節電意識や食中毒予防を家族みんなの共通認識としたい。
「すべてを丁寧に頑張ろうとすると疲れてしまいますが、健康を考えれば、少なくとも衛生管理はしっかりしたいところ。ふだん当たり前のように使っている冷蔵庫ですがこの夏は賢い使い方を心がけたいですね」

教えてくれたのは……阪下千恵さん●料理研究家・家事研究家・栄養士。現在は家電や日用品を取り扱うデンキョーグループホールディングス グループ事業統括本部 広報戦略部に所属する。レシピ開発は15年以上の実績があり、企業レシピ開発から雑誌やテレビなどでも活躍。著書は25冊以上。
取材・文/諸橋久美子