過去に世間を騒がせた社員も、現在は何事もなく働いているという。
「バラエティー番組を多く手がけていた既婚者の男性社員が、2021年に既婚の女性タレントとダブル不倫疑惑が報じられて裁判沙汰になったことがありました。しかし、この男性社員は騒動の発覚から今日まで変わらず制作の現場にいます。むしろ今年4月から新番組を立ち上げて、プロデューサーを任されたりと、ずっとイケイケなんですよ」(フジテレビ関係者、以下同)
“結果”を残せば“やらかし”に寛容の社風
こうしたフジテレビの“寛容”な企業風土は、思った以上に根深いようだ。
「以前から指摘されていますが、フジテレビの社員同士は仲間意識が強く、それぞれの“やらかし”に寛容な雰囲気があると感じます。仕事で“結果”を残せれば、多少のヤンチャは許されるといった空気は、依然として残っていると思います」
内外からフジテレビの再スタートに対して懸念の声が上がっているが、CMの再出稿を決断したスポンサーは、どのように考えているのか。
サントリーホールディングスに、もし今後、再びフジテレビに大きなコンプライアンス違反が発生した場合の対応について聞いてみると、
「当社では、フジテレビの再生・改革プランの実行について、引き続き注視していきます」
とのことだった。
前出の鎮目さんは、フジテレビが抱える問題の根本的な原因について、このように分析する。
「フジテレビの上層部は、1980年代から1990年代までの全盛期をいまだに忘れられないのでしょう。だから、昔のやり方に固執して、世間の人権意識やコンプライアンス意識と乖離していったのだと思います。しかし、そもそもテレビというメディアは公共の電波を使っているのですから、一般的な考え方以上の倫理感が求められるべき立場なはずです。フジテレビに限らず、昔の価値観を変えられないテレビマンや芸能人は、潔く後輩に道を譲って引退するしかないと思います」
はたしてフジテレビは古い価値観から脱却できるのか、それとも─。