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ー 『晩酌の流儀4』異例の放送
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ー 女優・栗山千明の真骨頂

 最近、深夜にテレビをつけると栗山千明の姿を見かけることが多くないだろうか。それもそのはず、今年10月からの秋クールを含めると19クールで10作、つまり2クールに1作以上のペースで深夜ドラマに出演。しかもそのほとんどが主演という、まさに「深夜ドラマの女王」と呼ぶのにふさわしい大活躍ぶりなのだ。

『晩酌の流儀4』異例の放送

 中でも人気なのは、現在テレビ東京系で放送中の『晩酌の流儀4』。夏クールだけでなく、10月からの秋冬クールの放送も決定し、半年間連続で放送を予定している。これは同局の深夜ドラマの代表作である『孤独のグルメ』『きのう何食べた?』などでもなかった異例のことだ。

 ヘビーローテーションが始まったのは2021年4月クールのこと。そこからの深夜出演作を並べてみよう。

2021年4月・『ラブコメの掟〜こじらせ女子と年下男子〜』(テレビ東京系)主演
2022年1月・『ケイ×ヤク-あぶない相棒-』(読売・日本テレビ系)ヒロイン
2022年7月・『晩酌の流儀』(テレビ東京系)主演
2023年1月・『リエゾン-こどものこころ診療所』(テレビ朝日系)
2023年7月・『晩酌の流儀2』(テレビ東京系)主演
2023年10月・『けむたい姉とずるい妹』(テレビ東京系)主演
2024年6月・『晩酌の流儀3』(テレビ東京系)主演
2025年4月・『彼女がそれも愛と呼ぶなら』(読売・日本テレビ系)主演
2025年6月・『晩酌の流儀4 〜夏編〜』(テレビ東京系)主演
2025年10月・『晩酌の流儀4 〜秋冬編〜』(テレビ東京系)主演

 どうしてここまで彼女が重宝されるのだろうか。

 1984年生まれの栗山は子供時代にモデル活動をスタート。97年には篠山紀信撮影の写真集『神話少女〜栗山千明』が出版され、その美少女ぶりに注目が集まった。

 ただ当初は肌の白さや、今よりクールだった風貌から、ホラー的な役柄を求められることが多かった。97年の女優デビュー作となった映画『死国』では死者の魂と交霊する家の娘役だし、00年のドラマ『六番目の小夜子』の謎めいた転校生もはまり役だった。

 そして同年の映画『バトル・ロワイアル』のクラスで孤立しがちな美少女役がクエンティン・タランティーノ監督の目に留まり、03年の映画『キル・ビル Vol.1』での鉄球を振り回す女子高生役につながったのは有名な話である。

 つまり初期の彼女は神秘的だけど近づきがたいイメージを大人たちに作り上げられていた。正直、普通の和やかなホームドラマなどには馴染まず、過去にもそういう売り方をして、そのイメージに縛られて終わってしまった俳優もいた。ただ彼女自身は、ハリウッド作品に出演したことについてもお高くとまることはなく、インタビューでは二十代の頃から「自分でもよくやったなと思う」と共感を覚えるような言い方をしていた。