容疑者の“意外な一面”
石岡容疑者は穏やかな性格で、キレたり後輩を叱る姿は見たことがないという。
「石岡さんといえば、高校野球マニアですよ。地元の千葉や、埼玉の予選をよく観戦して、試合展開や球児の特徴を教えてくれました。“きのう観戦に行ってきましたよ。9回裏に……”と楽しそうに話していたのに。毎年、甲子園に行っていましたし、事件は本当にショックで信じられません」
石岡容疑者は千葉県船橋市の賃貸アパートでひとり暮らしをしていたよう。間取りは1LDKで家賃は約7万円。最寄り駅まで徒歩で20分以上あり、電車を乗り継いで店まで1時間半以上はかかる。
「ごみ集積場で見かけました。若い住人が多い中、おじさんだったので印象に残っていますね。ごみ出しルールを守らない人が結構いるんですが、しっかりと分別していました」(同じアパートの男性住人)
わざわざ池袋まで通勤していたのは、夜勤にこだわったためかもしれない。平日の日中に試合観戦しても、十分に仕事と両立できる。
千葉予選は今夏、石岡容疑者宅近くの強豪校・市立船橋が決勝戦の延長タイブレークで4点差をはね返し、大逆転サヨナラ勝ち。3年ぶり7回目の夏の甲子園出場を決めた。事件当日は準決勝で、翌々日の日曜日が決勝だった。
「日曜日は店の定休日ですし、事件を起こさなければ観戦に行ったと思います」(前出の常連客)
高校野球の魅力のひとつは、仲間を信じるチームワークにある。エラーをしても「ドンマイ」精神で、責めたりしない。そんな純粋さが好きだったはずの容疑者が、なぜ短絡的に凶行におよんでしまったのか。