「いつかは家庭を」

 そして、大人になったヒロにも共感するという。

「理想の自分というか“周りからこう見られたい”を意識している部分は、なんか似ているなって思いましたね。完璧でいたい気持ちというか。僕もステージに立ったときのオンとオフではまったく違うと思うので。ステージに立つと勝手に“岩橋玄樹”になっていて。やっぱり応援してくださる方たちがいるので、失礼のない自分でありたいと心がけています。でもプライベートになると一歩も外に出ず、ずっとゲームをやっていたり。大好きな野球の話をするときは、めちゃくちゃ早口になっていたりします(笑)」

 ヒロと夏生の恋模様は、部屋の植物の成長ともリンク。

「それがすごく素敵だなと思います。うまくいかないこともあるけど、ヒロがだんだん本当の夏生の気持ちを知っていき、惹かれていく。お互いをだんだんと理解していく。なんか、生きていくうえでの人間関係で大切なことが詰まっていて、僕もそこから学ぶことがたくさんありました。本当にヒロを演じられてよかったし、この作品に出会えてよかったです」

 BL作品として、キュンキュンが止まらない本作。現在28歳、岩橋の恋愛観について聞いてみると、

「うーん。シンプルに小中学校の同級生が結婚して、親になっているって聞くと“すげえな”って思います(笑)。今、もう僕に2人くらい子どもがいるとか、考えられないから。尊敬します。

 でもそういう話を聞くと、いつかは家庭を持って、子どもと野球を一緒に見に行ったり、自分の好きなことを教えたり、キャッチボールしたいって思ったことはありますね。恋愛よりも、その先に夢を感じているのかな(笑)」