この日、クリーンナップを外れて2番に入ったキャベッジは、21打席連続無安打と絶不調に陥っている。チームも2位ながらも借金1、3位の横浜DeNAベイスターズとは0.5ゲーム差(8月20日時点)と、クライマックスシリーズ進出をかけて熾烈な順位争いを繰り広げている最中だ。
在京のセ・リーグ球団を取材する野球記者によると、「日本の野球に馴染もうとする謙虚さを持つ、普段は真面目なナイスガイ」とのキャベッジ評だけに、チームに貢献できていない己の不甲斐ないバッティングに苛立ち、思わずバットに八つ当たりしたというところか。
「それと不調だけではない、ヤクルト投手との“因縁”も考えられます」とは先の記者。ヤクルト先発を務め、勝利投手になったのはメジャーリーグでのプレー経験もあるペドロ・アビラ投手(28)。キャベッジとはどんな“因縁”が?
マウンド上で腰を振るパフォーマンス
「8月6日の東京ドームでもアビラが登板したのですが、5回裏にツーアウト三塁のチャンスで対峙したのが4番のキャベッジでした。やはり低めの変化球を決め球に投じたのですが、バットは空を切って空振り三振。
追加点の難を逃れたアビラは、マウンド上で雄叫びを上げながら手を広げて腰を左右に振る、まるでダンスのようなパフォーマンスとガッツポーズ。そんなアビラを睨みつけたままキャベッジはベンチに下がったのです」
MLBではマウンド上での派手なガッツポーズは“掟破り”とされ、打者へのリスペクトを欠いた、報復も受けかねない行為とされている。互いに昨年までアメリカでプレーしたもの同士、当然、そんな“暗黙のルール”は承知だったはず。
「キャベッジにしてみればアビラへのリベンジとして臨んだはずが、前回と同様に空振り三振に切って取られた。さすがにアビラも今回はガッツポーズを控えましたが、自身の不調以上に、元メジャーリーガーとしてのプライドが許さなかったのでしょう」(前出・記者)
それでも「巨人軍は紳士たれ」の精神を貫いてほしい。