「最初は、変わりたいと思ってここまで来たのにどうしよう、という感じでした。でも出会えた彼がすごくいい人で、自分のマインドが変わった。それまで“ゲイ=悪いこと。自分は幸せになれない”と思い込んでいたけれど、彼や周りの友達が“シン、ゲイって悪いことじゃないし、自信を持って生きていいんだよ”と言ってくれて。自分らしく生きる素晴らしさを教えてもらいました」
2023年のカミングアウトで、子どものころは「自分が間違っているんだ、自分はおかしいんだと思っていました」と語る場面で涙を流した與さん。
「LGBTQ+の人たちって自己肯定感の低い人が多くて、本当の自分を愛してもらえないと思いがちなんです。僕もまさにそうで、ずっと自分のことが好きではなかった。周りにすごく助けてもらって変われました。今でもみんなに感謝してます」
2人目の恋人は、愛を教えてくれた
カーターさんが人生を変えてくれた人なら、2人目の恋人・ライアンさん(仮名)は、愛を教えてくれた人。
「愛されたり、愛することはとても素敵なことだと、彼との恋愛で知りました。カーターともライアンとも、本当にいい恋をしたなと思います」
2019年、與さんはある夢を実現したいと思いつく。それは、パートナーや家族、友人、仕事仲間たちとのホームパーティー。だがそれは、彼にとっては非常にハードルの高い夢だった。
「ストレートの方だったら当たり前のことだと思うんですけど、僕は一生できないとずっと思ってたんです。でもそのとき、そういう当たり前のことがしたい、できるんじゃないかと」