フォトエッセイ『人生そんなもん』(講談社)では、カーターさんやライアンさんとの恋愛を赤裸々に告白している「AAA」與真司郎 撮影/山田智絵
フォトエッセイ『人生そんなもん』(講談社)では、カーターさんやライアンさんとの恋愛を赤裸々に告白している「AAA」與真司郎 撮影/山田智絵
【本人提供写真】AAA與の人生を変えたLA生活、タイでのプライベートショット

 そこから、2021年のクリスマスに母にカミングアウト。

「超ドキドキしながらLAから電話したのを覚えてます。母は“もっと早く言ってくれたらよかったのに”と言ってくれて。15歳で親元を離れて一緒に過ごした時間があまりなかったので、全然気づいてなかったみたい。そこから母もLGBTQ+のことについて勉強してくれて。すごくいいお母さんだなと思います。子を突き放しちゃう親もけっこういるんですよね。今ではデートの話とか、“最近どうなん?”みたいな話も普通にしてます(笑)」

カミングアウトした後の心境は

 そして2023年のカミングアウト。世界中に報道され、與さんのもとにはさまざまな言語で“やってくれてありがとう”とメッセージが届いた。だが、直前の心境は「もう超イヤでしたよ〜(笑)」と。

ファンの前でカミングアウトするケースって、海外でもあまりないらしくて。ロールモデルがいないので、どういう反応があるか全然わからない。みんなに嫌われてファンもゼロになって、日本にいられなくなるかもしれないと思っていました

 バックラッシュを覚悟しての公表。直後にはニュースやSNSのアプリを全部削除した。

「すごく怖かったんです。前例もあまりないし、特に僕は異性のファンの方が多いので。数日後にスタッフさんが“もう見ても大丈夫”と言ってくれて、再インストールしました」

 そこには共感や応援など、ポジティブなコメントが多くあふれていた。だが……。

「それでも、中にはネガティブなコメントもあって。やらないほうがよかったかもと後悔することもありましたね。1年間くらいは、やってよかったと思うときと、やらなければ違う人生を歩めたのかなと思うときと、行ったり来たり。考え込みすぎて、ストレスで帯状疱疹になってしまいました」