同性婚やゲイカップルの養子について語る「AAA」與真司郎 撮影/山田智絵
同性婚やゲイカップルの養子について語る「AAA」與真司郎 撮影/山田智絵
【本人提供写真】AAA與の人生を変えたLA生活、タイでのプライベートショット

「自分はこれでいいんだな」

 そう話す現在の與さんは、明るくポジティブなオーラに満ちている。一体どうやってここまで強くなれたのだろう?

「去年6月くらいに、10年近く住んでいたLAの家を引き払ったんです。いろいろな世界を見ようと思って、そこからノマド生活をしてます。引き払った直後には2か月休みをとって、タイやロンドン、アムステルダム、ベルリン、スペインなどを一人旅。今も月に1回はどこかしらに行っています。フットワーク、めちゃくちゃ軽いです(笑)」

 さまざまなカルチャーの人々と出会い、話すことで信頼できる仲間がさらに増えていき、「自分はこれでいいんだな」と自信が持てるようになった。今では世界各地に老若男女、たくさんの友達がいる。

 時間があるときは、次はどこに行こうかと飛行機やホテルを調べる日々。「最近は仕事か旅のことしか考えてなくて」と苦笑する。先日は台湾へ行き、素敵な光景を目にした。

「普通の街角で、男の子同士や女の子同士で手をつないでいて。さすが、アジアで最初に同性婚がOKになったところだなと感じました。たぶん、法律が変わるだけで一般的な意識も変わるんじゃないかと思うんです。日本でも、少しずつみんなの意識が変わっていって、今苦しんでいる人たちがラクになればいいなと思っています」

同性婚が法制化されていない日本

 日本ではLGBTQ+層の割合が9・7%(「電通LGBTQ+調査2023」より)といわれているが、同性婚がまだ認められていない。

「寂しい思いは感じます。本当に愛し合っているカップルが、家族でないということで、例えば事故に遭ってしまったとき意思決定に参加できなかったりする。実際に僕の友人の同性カップルが、コロナ禍に家族を亡くされて。家族ぐるみで仲がよかったのにパートナーは最後、会えなかったんです。本当に、日本でも早く認められたらいいなと思います」