阿見町は、国内で2番目に面積が広い霞ヶ浦湖畔にある町。JR常磐線荒川沖駅から東に約1.5キロの住宅街に容疑者宅はある。
容疑者の母親は「元気いっぱいでハキハキした女性」
約20年前は恵子容疑者と夫、義理の母親の3人暮らしで、当時30歳前後の万希子さんは別居していた。
数年前に義母が亡くなり、この9月に夫が亡くなってひとり暮らしになったばかりだった。
「恵子さんはとってもいい人。地域の子どもの登下校を見守るボランティア活動などに参加していたほか、近所の荒れた屋敷を清掃してあげるなど面倒見がよかったんです。天気のいい日は、お友達と運動公園に集まってグラウンドゴルフしたりね」(近所の80代男性)
近所の70代女性は「いつも元気いっぱいでハキハキした女性」とおおむね評判はいい。
最近は毛色がグレーの小さなネコを1匹飼っていて、散歩に連れていくなどかわいがっていたという。室内で飼える小さなネコなのに、なぜか敷地内に小屋をつくって屋外で飼育していた。
「10年ほど前は、屋外で3、4匹ほどを飼う“ネコ屋敷”として知られていました」(別の近所の男性)
世話好き、ネコ好きの素顔の一方、10代のころの万希子さんとは衝突もあったようだ。
「万希子さんはギャルというか、素行不良なところがあったんです。恵子さんは、怒ると路上であっても人前でも平気でビンタをしていました。年ごろの女の子なのに、スパルタ教育みたいでずいぶん厳しいなと思いました。やるときはやる人っていうんでしょうか……」(知人男性)
素行不良では済まないレベルだったという証言も。
「万希子さんは学生時代は相当荒れていて、悪目立ちしていました。恵子さんは自分から娘さんの話をすることはありませんでした」(前出の近所の70代女性)
成人後も万希子さんに対する厳しさは続き、深夜に帰宅すると家から閉め出されていたという。
「万希子さんは“おばあちゃん開けて!”と、よく泣きついていました。恵子さんは“どこ行ってたんだ!”と叱り飛ばすんです。年ごろならばまだわかりますが、万希子さんが自立して30歳近くで帰省したときも、夜遅くまで友達と会っていると閉め出していました。さすがにもう、そんな年齢ではないのになって」(前出の知人男性)
母娘の対立は収まる気配がなかった。やがて恵子容疑者は、万希子さんの近況を周囲から尋ねられると「娘は東京に行っちゃったんだ……」と答えるようになったという。