想像を超えたがっかりポイント1位は?
1位は混み具合。
「入場ゲートで想像以上に並んだ」(大阪府・51歳・女性)、「ゆっくり見て回る感じでもないし、炎天下に並んで、どこをどう楽しめばいいのかよくわからなかった」(兵庫県・48歳・女性)、「まだまだ入りたいパビリオンがたくさんあるけど、入れる気がしない。特にヨルダン!」(奈良県・46歳・女性)と88票(55/33)。
「並ばない万博」を掲げてきたものの、イタリア館など人気パビリオンは5時間超えの入場待ちが続く。ただこれも時期によるようだ。
「当初『万博なんてつまらないんでしょ』というネガティブキャンペーンが激しくて、みんな行こうとしなかった。実際に開幕間もなくのころは混んでいなくて、人気の住友館も20分待ちで入れたくらい。その後住友館は4時間待ちの行列ができ、途中から抽選制になった。最初のうちに行っておけばよかった、という後悔組が出てきています」
混めば当然、予約も取りにくくなる。「予約の取りにくさ」は15位で、4票を集めた。
「途中から急に来場者が増え、つながりにくくなった。ベースにネットワークの脆弱さがありました。加えて複雑な予約システムにも問題があった。すべてのパビリオンが予約制というわけではなく、また予約が必要なところにしても何日か前までに予約しなければいけない。海外からの旅行者が何も知らずに万博に来て、現地で何もできないという現象が起きていた」
よかった&がっかりランキングを踏まえ、二神さんに大阪・関西万博の総合評価を聞いた。
「合格点の80点。混雑が問題になっていますが、裏返せば会場がコンパクトで回りやすいということ。上海万博は広すぎて端から端まで1時間以上かかりました。
マイナスの20点はスマートフォンを使った予約システム。年配者の中にはスマホのスキルがないゆえに入るチャンスを失っている人も多く、機会が均等でなかった」
がっかり要素も受け入れつつ、連日足を運び続ける。万博の魅力とは何なのだろう。
「半年間しか見ることのできない幻の街だからです。大屋根リングにしても、あんなにすごいものをつくり、ギネスまで載ったのに、一部を除いてなくなってしまう。半年間の期間を逃すと、これから先一生見られない、儚いものです」
大阪・関西万博の閉幕は10月13日。終わりよければすべてよし、となるか─?
<取材・文/小野寺悦子>