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ー 迫る首班指名選挙に向けて

 

 1999年の小渕恵三政権以来、26年間にわたって日本の政治を支えてきた公明党の連立離脱を受け、政局が騒がしくなっている。

迫る首班指名選挙に向けて

 近く招集される臨時国会で行われる内閣総理大臣を決める首班指名選挙では、新たに自民党総裁となった高市早苗氏が選出されるのか、はたまた野党が結集し、国民民主党の玉木雄一郎氏などが新首相となり、政権交代が実現するのかに注目が集まっている。

 そんななか、10月15日に参議院で大きな動きが見られた。

「政治団体のN国こと『NHKから国民を守る党』の齊藤健一郎参議院議員が自民党の会派へ入り『自由民主党・無所属の会』になると明らかになりました。斎藤氏は実業家のホリエモンこと堀江貴文氏の運転手兼秘書を経て政治家へ転身。2022年の参議院議員選挙で比例区から出馬するも名簿順位は4位で落選。しかし、2023年3月にガーシーこと東谷義和氏が除名されたため、繰り上げ当選を果たしました」(政治ジャーナリスト、以下同)

 会派とは各議院の内部で組織される議員の団体で、2名以上から組める。政策や理念が近い政党や個人が会派を組むケースが多く、衆参の両院で“過半数割れ状態”の自民党としては少しでも人数を増やしたい思惑があるのだろう。

 実業家のひろゆきこと西村博之氏は15日のXで、《自民党は、諸手を挙げて公明党を切って、NHK党と組む事にした様子。『貧すればなんとやら』とは言え、自民党員は公明党よりNHK党で良いの?》と皮肉交じりのポストを行った。

 ネット上でも、

《どんな手を使っても…? 来るところまで来たな》
《うーん、自民が失うもののほうが多い気がするが…》
《国をぶっ壊す気か》

 といった声が並ぶが、現在の政局はたかが1票といえども、あなどれない状況になっている。

「首班指名選挙は最初の投票で過半数を獲得できなかった場合、上位2名の決選投票になり、その場合は1票でも多い候補者が首相になります。たかが1票、されど1票の世界。投票で恩義を与えれば、今後の政権運営に関して第三の勢力としてキャスティング・ボートを行使できる可能性も生じます」

 N国が次にぶっ壊そうとしているものは何なのか、気になるところだ。