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ー 新しい“進次郎構文”の誕生

 適切に判断したい——10月22日、防衛大臣に就任した小泉進次郎氏の就任会見で飛び出したこのフレーズが、ネット上で大きな話題になっている。

新しい“進次郎構文”の誕生

 この日、記者から「防衛大臣在任中に靖国神社に参拝するつもりはあるか」と直球で尋ねられた小泉氏。「農林水産大臣としての記者会見でも、靖国神社の参拝についてどうするのかということに対しては、適切に判断したいとお答えをさせていただいている通りでございます」と回答。ここから「適切に判断したい」の連呼が始まった。

同じ記者から『防衛大臣の参拝は意味合いが違うというようなことも聞いていますが』と追及されると、小泉氏は『適切に判断しますが』と前置きして、『不戦の誓いをすること自体はどの国にとっても当然のこと』などと述べながらも、『何度も申し上げますけど、適切に判断したいと思います』と明言を避けました。

 さらに、A級戦犯合祀について問われると、『最終的に参拝するかどうかは適切に判断させていただきます』と回答。『これまで参拝を続けてきたということはA級戦犯が合祀されていることに問題ないということ?』と詰め寄られても、『政治家として適切に判断してまいります』とリピート。さらにこのあともう1度、『適切に判断する』という言葉が聞かれたため、わずか3分半の間に6回連呼したことになります」(全国紙政治部記者、以下同)

 この会見の様子を見たネットユーザーからは、

《これでいいなら国会議員誰でもできるよ》
《馬鹿のひとつ覚えじゃん 語彙力が小学生並みだな》
《どんな質問でも『適切に判断したい』で全部防御できるの最強のバリア》

 といった皮肉や冷笑の投稿が相次ぎ、わずか数時間でトレンド入りする事態に。さらに秀逸なのが、このフレーズを応用した新しい“進次郎構文”の誕生である。《今日が木曜日かどうか適切に判断したい》など、日常の場面にこの表現をあてはめた投稿が次々と見られた。

 先の全国紙記者はこう語る。

そもそもこうした“進次郎構文”は2019年9月、環境大臣当時の国連サミットでの『今のままではいけないと思います。だからこそ、日本は今のままではいけないと思っています』という同義語反復が発端とされています。その後も意味不明で当たり前のことを特別に述べる“ポエム風”の発言が話題になってきましたが、それらに『適切に判断したい』というワードが加わったことになります」

 小泉氏はこれまでも“説得力のある表現”が課題となっていた。

「先月9月23日放送の『news23』の総裁選討論では、候補者の1人だった高市早苗氏が『外国人政策に関する司令塔をしっかり強化する』と述べたのに対し、小泉氏はほぼそのまま『政府全体の司令塔機能を強化する』と表現をコピーした。翌24日の日本記者クラブ討論会では、質問に対する“カンペ読み”も指摘されていました」

 防衛大臣という国家の根幹を担当する職務にあって、6回も同じフレーズで答えるのは説明責任の放棄ではとの意見もある。この問いに対しても小泉氏はきっと――。