安全に飲むために活用するべきはお薬手帳

 そもそも市販薬を飲むときの注意点は、薬の箱に同封されている説明書に書いてあると話すのは、銀座薬局で薬剤師を務める長澤育弘先生。

他の薬との相互作用から、服用の仕方、使用期限、保管の仕方まで、すべて説明書に記載されていますから、それをしっかりと読んで守りましょう。説明書は読まずに捨ててしまう人がほとんどでしょうが、意外に大事なのです

 もし重複して飲んでしまい、アレルギー症状などの異常が出たら、すぐに医師や薬剤師に相談する。そのときに役立つのが“お薬手帳”だ。

処方薬に関しては、マイナ保険証にすべてデータがあるので、病院側も相互作用を調べることができますが、市販薬にはそのデータがありません。ですから市販薬を使ったら、しっかりお薬手帳に記録しておきましょう。

 飲み合わせのリスクを減らすにはお薬手帳を活用して、飲んだ薬を医師や薬剤師に申告することが重要なのです」(長澤先生)

 いずれも薬を長く飲む、あるいは複数薬を飲む場合は、3か月か半年に一度程度の検査はしてほしい、と谷本先生は念を押す。

「診察時や健康診断で血液検査や尿検査を行い、その薬が適切かどうか、定期的にチェックしてもらいましょう」

 お薬手帳をうまく活用しながら、薬の禁忌を冒さないように気をつけたい。

薬を飲む人にNGな食べ物
 肝臓で代謝するタイプの薬は、グレープフルーツ(ジュースも含む)と飲むと、薬の効き目が強まる一方、セイヨウオトギリソウなどのハーブティーと飲むと、効き目が弱くなる。またカフェインの入った薬は、コーヒーなどのカフェインと飲むと、過剰摂取になるので注意。


取材・文/池田純子