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ー 先発投手が次々と退団するDeNA

 12月8日、横浜DeNAベイスターズの藤浪晋太郎投手(31、以下敬称略)が契約更改を終えた。来シーズンもDeNAでのプレーが決まった藤浪だが、その年俸に疑問の声も上がっている。

《藤浪6試合しか投げてないのに給料3000万アップか。ベイスの投手陣に不満出そう》
《1勝3000万円の出来高払いを契約に入れてたとしか思えない。そりゃDeNAに行くわな》
《藤浪の今シーズンの成績で3000万増って プロ野球選手って楽な仕事なん?》

 記者会見では「ご想像にお任せします」と、本人は提示された年俸額は明かさなかったものの、各スポーツ紙によると「年俸8000万円」(推定)でサイン。今季の5000万円から「3000万円増」と伝えられたことに、ネットでは“アップ提示”に懐疑的だ。

 今シーズン半ばにシアトル・マリナーズ傘下の3Aを自由契約になり、7月に日本球界復帰した背番号「27」。先発・中継ぎとして6試合、計22イニングに登板して1勝0敗で防御率4.09。懸念された制球も9四球2死球、3暴投と改善されたとは言い難い。

 10月に選手登録を抹消されると読売ジャイアンツ、阪神タイガースとのクライマックスシリーズ(CS)に登板することなく、二軍でシーズンを終了。元メジャーリーガーとしての期待値も大きかっただけに、22イニングで「3000万円増」は一般的に“もらいすぎ”と映るのも無理はないか。

 ただプロ野球業界では、実質的な「減俸」と見る向きもある。プロスポーツの契約事情に精通するスポーツライターに話を聞いた。

「プロ選手にとっての年俸とは、その名の通り1年間を通してのシーズン契約を締結した報酬を指します。そして藤浪投手がDeNA入りしたのはシーズン半ばにあたる7月で、今季年俸の5000万円は残りの半シーズンを働く分の金額になります。

 つまりシーズン開幕から1シーズン稼働していたのならば、本来もらうべき報酬は1億円。つまり来季年俸として提示された8000万円は、実際には“2000万円ダウン”と見なされるのが契約とも言えます」

先発投手が次々と退団するDeNA

NPB通算1000投球回を達成した藤浪(球団公式Xより)
NPB通算1000投球回を達成した藤浪(球団公式Xより)

 会見で歯切れが悪かった藤浪だが、実際には“ダウン提示”であることを本人が一番よくわかっていたのかもしれない。

「投球内容を精査するともっとダウンしてもおかしくはないと思いますが、DeNAは1シーズンを通して“ボールは投げられる”と見越しての契約だと考えます。

 トレバー・バウアー(34)が退団し、アンソニー・ケイ(30)はメジャー復帰、アンドレ・ジャクソン(29)も去就不透明だけに、とにかく先発のコマとしてイニングを稼いでほしい。そんな期待を込めての8000万円ではないでしょうか」(前出・スポーツライター)

 来シーズンの目標を「180イニング」とした上で、「それくらい投げられればほかの数字もついてくるんじゃないか」と自信をのぞかせた藤浪。オフには堂々、笑顔で「アップ」宣言をしてほしい。