2026年3月5日に開幕したWBC。侍ジャパンの連覇への期待が高まる一方で、視聴環境を巡る異例の事態が波紋を広げている。
将来の野球人口を心配する伊集院
今大会、日本国内の中継は動画配信サービス「Netflix」による独占配信となり、地上波での生放送が姿を消した。この“ネット独占”に対し、球界や芸能界の著名人からはさまざまな意見が相次いでいる。
「今回のネトフリ独占は、推定150億円とも言われる巨額の放映権料が動いたといいます。資金力のない地上波各局が太刀打ちできなかった形ですが、視聴者からは『日本戦すらタダで見られないのか』と困惑の声が上がりました。特にWBCは、普段プロ野球を見ない層まで巻き込む国民的行事だっただけに、有料の壁ができたことによる影響は大きいですね」(スポーツ紙記者、以下同)
タレントの伊集院光は、3月9日放送のラジオ番組でこの現状に持論を展開。「独占はよくない」と切り出し、「割とどうでもいい層がたまたま見るっていうことは大事。ついてたから見ようかはそこそこ大事なこと」と指摘した。また、WBCが開催されるたびに少年野球の人口が増えるという現場の声を紹介しつつ、有料会員という“壁”の向こう側でしか熱狂が共有されないことが、将来の野球界の裾野を狭めるのではと話した。
元ヤクルト監督の古田敦也氏も情報番組でこの問題に言及。古田氏は、海外では「国民が関心を持つ大事なスポーツは、誰もが無料で見られるようにすべき」という考え方があることを紹介。日本は「テレビをつければタダで見られる」という文化が根強いだけに、こうした公共性の高い大会を急に有料化することへの不安を口にし、日本の関係者にも「誰もが喜び合える環境」を検討してほしいと訴えた。
また、シニア層にとっての“デジタルの壁”を浮き彫りにしたのが徳光和夫だ。自身のラジオ番組で、すでに契約はしていたものの「セッティングがなされていない」ために視聴できなかったエピソードを告白。近所の電気屋さんにパスワード設定などを依頼し、ようやく画面が開通したという。
テレビ局の内部からも盛り上がりへの心配の声が聞こえる。元テレビ朝日社員の玉川徹氏は『モーニングショー』で、局内のメイク室やスタッフルームのモニターが必ずしもNetflixに対応していない実態を明かし、「視聴する人がずいぶん減るんじゃないか」「前回ほどの盛り上がりにはならないかもしれない」と、地上波で放送がないことへの冷ややかな見通しを示した。
「もちろん、今回の独占配信を歓迎する声も少なくありません。ネトフリが投じた巨額の資金のおかげで、高橋由伸氏や鳥谷敬氏、さらにはアンバサダーに俳優の渡辺謙氏を起用するなど、民放では成し得なかった“局の垣根を超えた豪華解説陣”が実現しました。CMなしのストレスフリーな視聴や、スマホなどマルチデバイスでの利便性は、新しいスポーツ観戦の形として一部のファンから強い支持を得ています」
1次ラウンドを見事に1位通過した侍ジャパンだが、今大会は日本のスポーツビジネス界にとっても放送のあり方を議論する大事な“通過点”なのかもしれない。






















