“強心臓”な引用コメント

 世界王者となった張本が大会中に発した言葉で、特に注目されているコメントがあるという。

2021年10月、JOC第32回オリンピック競技大会特別賞表彰式・イベントに参加した卓球日本代表の張本智和(中段、真ん中)
2021年10月、JOC第32回オリンピック競技大会特別賞表彰式・イベントに参加した卓球日本代表の張本智和(中段、真ん中)
【写真】卓球元日本代表・福原愛、中国で“女優デビュー”していた

「ネット上で話題になっているのは、準決勝の勝利後インタビューで語った内容です。自身4回目となる同日の決勝に向けての意気込みを聞かれた張本選手は、“4度目の正直。相手がどれだけ強かろうが、高市さんの言葉を借りれば、絶対絶対絶対絶対絶対に優勝するんだという気持ちで戦いたいと思います”と力強くコメント。これは本人が語っているとおり、高市早苗首相が自民党総裁の就任時に発した“働いて働いて働いて働いて働いて、参ります”のオマージュでしょう。成都でのブーイングの記憶が新しい中、香港の大会で日本の首相の言葉を引用するとは、なんとも“強心臓”な(笑)」(スポーツ専門誌ライター)

 張本が受けたブーイングの背景には、両親が中国の卓球選手だった張本が「中国を倒す」とたびたび口にしてきたことに加えて、“高市構文”の本家である首相の「台湾有事発言」が悪影響を及ぼしてしまった可能性も指摘されている。

「高市首相の発言を受けて、日中関係はかなり緊迫した状況となっています。そんな中、ブーイングでつらい思いをした張本選手が首相の言葉を用いたことについて、日本の卓球ファンからは、“中国でこれを言うのはすごく勇気がいるし、もちろん中国の仕打ちに対しての怒りもあると思うけど、それ以上に日本に対しての誇りを感じる”“中国からすれば耳を塞ぎたくなるような賢いコメント。スマートな返し”“姑息な嫌がらせを受けていたのに、それをパワーに変換して実力を出し切りましたね。おめでとう!”など、絶賛の声が集まっています」(同・専門誌ライター)

 悔しさをバネに、頂点に立った張本。若干22歳の若武者が見せた活躍は、間違いなく日本国民を鼓舞するものだった。