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ー 翼くんが土俵に上がる日が来るとは

 大相撲初場所が開催され熱戦が繰り広げられる中、大相撲ファンからのみならず熱い視線を浴びている力士がいる。大島部屋期待の若手、旭海雄(きょくかいゆう)だ。

「元旭天鵬の大島親方の部屋に入門し、23年11月場所に初土俵を踏んだモンゴル出身の25歳の力士です。幼少期から格闘技を見ることが好きだった少年が、異国の地で大相撲と出会い関取にまでのぼりつめました。24年初場所で初めて番付に自分の名前が載ってから5場所連続勝ち越し。スピード出世を果たし現在は十両12枚目で初場所を迎えています」(スポーツ紙相撲担当記者)

 11日(日)の初日、色とりどりの重厚な化粧まわしをつけた十両力士の土俵入り。旭海雄のパッと目をひく鮮やかなピンクの化粧まわしに描かれていたのは、なんと国民的人気サッカー漫画『キャプテン翼』の主人公・大空翼だった。

翼くんが土俵に上がる日が来るとは

 この化粧まわしを贈ったのは、同作の作者である漫画家・高橋陽一氏だという。

「大島部屋は24年に墨田区から葛飾区に移転しました。葛飾区には高橋先生がオーナーを務める社会人サッカークラブ『南葛SC』があるので、その縁で交流が深まり、旭海雄が新十両を決めたことで“翼くん化粧まわし”の制作が実現したようです」(同前)

漫画家・高橋陽一氏が描いた『キャプテン翼』の化粧まわしをする大島部屋の旭海雄
漫画家・高橋陽一氏が描いた『キャプテン翼』の化粧まわしをする大島部屋の旭海雄

 ガッツポーズをする大空翼があしらわれたデザインに旭海雄もご満悦のようで、「翼くんのように活躍できるように頑張りたい」と語っている。また高橋氏も「翼くんが土俵に上がる日が来るとは思っていなかった。目立つと思うので、旭海雄関のファンが増えてくれれば」と、語った。

 この斬新なデザインに「これが噂の!」「想像の100倍くらい派手でした」「すごい化粧まわし!」と驚きの声が上がるとともに、旭海雄のファンも増えているようだ。

「化粧まわしは関取と言われる十両以上の力士だけが締めることを許されています。多くは協賛企業、出身校、後援会やタニマチから贈呈されるのですが、これらデザインにはさまざまな想いが込められています。出身校の校章であったり、故郷の景色や特産物まで。昨今ではインパクト勝負と言わんばかりに個性的な色やデザインが増えています。旭海雄も“キャプテン翼のお相撲さんだ”と認知され、新規のファンが増えているようですね」(同前)


 これまでも人気漫画とお相撲さんの“コラボまわし”は多数あった。その“走り”と言われているのが、1973年、立浪部屋の玄武がつけた『天才バカボン』のパパがあしらわれたもの。力士への取材が多いベテランのスポーツライターの話。

近年で思い出されるのが、横綱・稀勢の里がリクエストしたと言われる『北斗の拳』。ラオウ(稀勢の里)、トキ(露払い)、ケンシロウ(太刀持ち)の三つ揃いは圧巻でしたね。アニメ放送された漫画キャラが横綱の化粧まわしに使われたのは初めてのようです。

 ほかにも戦闘竜の『こち亀』の両さん、志摩ノ海の『ジョジョの奇妙な冒険』、千代大龍の『キン肉マン』もありましたね。アニメ漫画ではありませんが、キティちゃんや不二家のペコちゃん、くまモンにジェラートピケも話題になりました」(同前)

 関取が土俵上を1周する土俵入りは単なる入場ではなく土俵を清める神聖な意味合いがあるが、観客に力士の存在感を示し、顔見せの場でもある。誰がどんな化粧まわしを締めているか、その色とりどりの景色を眺めるのも楽しいかもしれない。