110を超えた! ユニークな種類

 最盛期には、年間9000万本以上が販売されたという「写ルンです」。

「初年度の販売目標は100万本でしたが、発売からわずか半年で達成。1年間で300万本を売り上げる大ヒットとなりました」

 その功績は、数字以上に「写真文化」を変えた点にある。それまで「記念日」のものだった写真が、友達との登下校や飲み会、何げない日常のひとコマを記録するものへと変化したのだ。

「一家に1台だったカメラが、一人1台になり、『撮る』という行為そのものがイベント化しました。これは、後の携帯電話やスマートフォンでの撮影文化の下地になったと考えています」

 また、そのブームを支えていたのが、写ルンです・富士フイルム(フジカラー)のCMの数々だ。「美しい人はより美しく、そうでない方はそれなりに」でおなじみの故・樹木希林さんと岸本加世子コンビに始まり、デーモン小暮や沢口靖子、「長瀬店長」などなど……ある程度のお年頃の読者なら、記憶に残るCMがきっとあるはず。

写ルンです(初代・1986年発売)発売から1年で約300万本が売れたとか
写ルンです(初代・1986年発売)発売から1年で約300万本が売れたとか
【写真】110種類以上もあった! 歴代『写ルンです』ラインナップ

 30年以上の歴史の中で、発売されたバリエーションはなんと110種類以上。その進化の歴史は、ユーザーの声に応え続けた歴史でもあった。

「初代機はシンプルさを優先していましたが、『室内や夜間でも撮りたい』という声を受け、翌年にはフラッシュ内蔵タイプを発売しました」

 これにより、撮影シーンは劇的に拡大。中でもターゲットを絞って人気があったのがゴルフフォーム確認用の8連写「写ルンです Golf Hi」だ。他にも、水辺や雪山でも使える「写ルンです 防水」、夜景と人物がきれいに写る「写ルンです Night&Day」など、ユーザーの「撮りたい」という熱意に寄り添ったユニークな機種が次々と登場した。

 現在、フリマサイトなどでは、そういった過去の未使用品が高額で取引されていることもあるが……。

「フィルムには使用期限があるため、きれいに写らなかったり、そもそも撮影ができない可能性もあります。公式オンラインショップや、正規販売代理店などの利用を推奨しております」