波乱万丈の相撲人生に幕

 照ノ富士の相撲人生は、まさに山あり谷ありの連続だった。モンゴル出身で、2011年に初土俵を踏むと順調に番付を上げ、2015年には大関に昇進。しかし、両膝の故障と糖尿病により成績が低迷し、大関から序二段にまで転落するという前代未聞の経験を味わった。

 糖尿病でもあった状況に「死ぬんだろうな」——当時の心境をそう語ったこともある照ノ富士だが、師匠の支えもあり引退を思いとどまったという。序二段から幕内に返り咲き、2021年には横綱昇進を果たし、優勝10回という堂々たる実績を残した。

 

「大関から序二段に転落し、横綱に昇進した力士はほかにはいません。横綱在位21場所のうち、両膝の故障と持病の糖尿病に苦しみながらも、一人横綱として角界を牽引した実績は語り継がれるでしょう」(相撲ライター)

 断髪式後、親方は「頭が軽くなった」と笑顔を見せた。

 力士としての照ノ富士の姿はこの日を最後に見納めとなったが、美人妻と可愛い長男に囲まれた親方の新たな人生は、まさに始まったばかりだ─。