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ー “日本車級”の安定感

 

 ミラノ・コルティナ冬季五輪の女子フィギュアスケート・ショートプログラムが2月17日(日本時間同日)に行われ、日本のエース・坂本花織選手が77.23点をマークし、2位と好位置につけた。首位の中井亜美選手との差はわずか1点台。悲願の五輪金メダルへ向け、絶好のスタートを切った形だ。

“日本車級”の安定感

 今回の演技で関係者の間で話題となっているのは順位以上に、坂本の“ジャンプ構成”だ。

「現在の女子フィギュア界では、トリプルアクセルや4回転ジャンプが優勝争いの大きな武器となっています。その中で坂本選手は完成度の高さで勝負している稀有な存在です。実際、首位の中井選手をはじめ、アメリカのアリサ・リュウ選手、AINのロシア出身アデリア・ペトロシアン選手といった有力選手は、トリプルアクセルや4回転ジャンプを武器に得点を積み上げる“次世代型”のスケーターです。女子フィギュア界はここ数年で急速に技術革新が進み、高難度ジャンプの有無が勝敗を左右する傾向が強まっています」(スポーツ紙記者、以下同)

 そうした流れの中で、坂本の強さの源となっているのが、技の完成度の高さに加え、圧倒的なスピード、そしてジャンプの飛距離の大きさだ。

「坂本選手のジャンプは高さだけでなく、前へ進む幅が非常に大きいのが特徴です。着氷後もスピードがほとんど落ちず、リンク全体をダイナミックに使う滑りそのものが高く評価されており、GOE(出来栄え点)でも大きな加点を得る要因となっています」

 ネット上でも坂本選手の演技に称賛の声が相次いでいる。

《坂本選手の速さは別次元で、まるで一人だけ時間の流れが違うかのようだった》
《無駄のない動きと滑らかで美しく力強いジャンプが素晴らしかった》
《大技を持っていないのに世界の大舞台で結果を残していることに尊敬する》

 こうした声が示すように、坂本選手の滑りは一つの要素だけに頼るものではない。圧倒的なスピードを土台に、完成度の高いジャンプ、無駄のない動き、そして演技全体の流れを崩さない安定感――それらすべてが高次元で融合している点こそが、彼女の最大の強みである。

「その滑りは、まさに世界が評価する“日本品質”を体現していると言えます。かつては、その爆発的なスピードから“フェラーリ”に例えられた坂本選手ですが、現在の彼女は単なる速さだけでなく、安定性や完成度、そして総合性能のすべてを兼ね備えた存在へと進化しています。ミスが少なく、どんな試合でも安定して力を発揮できる点は、日本車の信頼性にも通じるものがあるのかもしれません」

 2月19日(日本時間20日未明)に行われるフリー演技では、逆転優勝を狙うライバルたちとの直接対決が待っている。高難度ジャンプか、それとも完成度か――。

 五輪という大舞台で、坂本花織選手が体現する“日本品質”の真価が、世界の注目を集めている。