気になるのは9話=最終回の予告

 4人ともそれぞれ、疑わしいところがあった。ただ、井上は物語のヒロインだし、第一容疑者は犯人ではないのが推理ドラマの定石だ。そんな中、8話では井上が小柳を殺害したことが確定。井上と小柳の後味の悪い過去も含めて、予測がつかなかった視聴者が多かったのではないか。

 だが、物語はまだ続く。ここで気になるのは、9話=最終回の予告を見ると、「事件は解決したはずだった」とあることだ。これはどういうことなのか?

 筆者は実は、これまで4人を疑わしく見せてきたのは、4人だけに目を向けさせるためのミスリードで、犯人は別にいるのではないかと思っていた(だから小柳殺害の犯人が井上だったことには正直意表を突かれた)。

 そこで基本情報を見直してみると、23年前の事件では、拳銃だけでなく3000万円も行方不明になっていることに目が行く。劇中ではほとんど触れられてこなかったが、この金を手に入れて得をしている人物がいるはずなのだ。

 23年前に大金を奪ったなら、現時点でそれなりの年齢であると思われる。そうなると主要キャストの中でも、だいぶ絞られてくる。

 この人物が犯人と思って見返すと、江口が拘留中の渡辺を現場検証に連れ出すのを何気なく気にしていたり、江口のその人物を見つめる表情など、さり気ない描写の中に腑に落ちる演技が散見されるので、確認していただきたい。

 ただ、23年前の事件にその人物がどう関わっていたのかは、私も予想がつかない。竹内は23年前の自身の行ないに、どう決着をつけるのか? また渾身の芝居が見られるのか。

 そして忘れてならないのは、いきなりタップを踏んだり、『家政婦は見た!』ばりに玄関口から顔をのぞかせたりする江口のりこが、何か企みがあるのかも気にかかるところだ。

 気になることが山積みの最終回だけに、また過去最高視聴率を更新できるのかにも注目したい。

古沢保。フリーライター、コラムニスト。'71年東京生まれ。「3年B組金八先生卒業アルバム」「オフィシャルガイドブック相棒」「ヤンキー母校に帰るノベライズ」「IQサプリシリーズ」など、テレビ関連書籍を多数手がけ、雑誌などにテレビコラムを執筆。テレビ番組制作にも携わる。好きな番組は地味にヒットする堅実派。街歩き関連の執筆も多く、著書に「風景印ミュージアム」など。歴史散歩の会も主宰している。