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ー 高市首相に批判も…
高市早苗首相

日本社会の現状に、「遅れてる! 海外ではありえない!」なんて目くじらを立てている人もいますが……。いえいえ、他の国の皆さんも有名人や王室のゴシップや下ネタは大好きで、若者はおバカなことをしでかすし、高齢者は変なこだわりで周囲を振り回すし、しょーもない男女のケンカも日常茶飯事なんですってば! そんな、「衝撃」「笑える」「トホホ」がキーワードの世界の下世話なニュースを、Xで圧倒的な人気を誇る「May_Roma」(めいろま)こと谷本真由美さんに紹介していただきます。人間の思考回路や行動なんて、基本は一緒なんです!

高市首相に批判も…

 高市首相が、首相官邸でロックバンド「ディープ・パープル」のメンバーと面会し、良くも悪くも話題になりました。ロックを愛し、ドラム演奏もこなす高市さんにとって彼らは憧れの存在であり、「夫とケンカしたら『Burn』(ディープ・パープルのヒット曲)を叩いて呪いをかける」とジョークを飛ばしたほど。

 私もハードロック、ヘヴィメタルが好きですから、高市さんのディープ・パープル愛がひしひしと伝わってきます。ですが、一部では「権力者が人気バンドに近寄ってイメージを良くしようとしている」「政権の本格業務が疎かになっている」といった批判的な声も。

 日本の政治家が、ミュージシャンやタレントと面会することで“親近感”をアピールするように、欧米でも似たようなケースがあります。それが人気サッカー選手との面会や、サッカー好きをアピールすることです。

 例えば、現在のスターマー英国首相は、若いころからプレミアリーグ1部の強豪アーセナルのサポーターであり、庶民的なサッカーファンとしての側面を強調することで、内外に向けて親しみやすい首相のイメージを示しています。こうしたアピールは、対外的な注目度やイメージアップにもつながるわけですから、やいのやいの言うものではないと思うんですけどね。

 それに、ディープ・パープルについて“人気バンドにすり寄っている”かと言われると、微妙な気が……。むしろ、往年のロックファンにしか届かない可能性のあるニッチなアピールをよくやったなと思うくらい。いやはや、高市さんのそういうところこそが「ロック」です。

 実際、ディープ・パープルのファン層って、すでに結構お年を召した方が中心です。結成して60年近く、しかもボーカルのイアン・ギランは80歳(!)ですからね。はっきり言って「懐メロバンド」なんです。

 私は、彼らの母国であるイギリス公演に行ったことがあるのですが、観客層はだいたいがシニア世代。そこに、ちょいちょい10代、20代くらいの若い層がいることも特徴で、おそらくこれは動画配信やサブスクで往年の彼らを見聞きして興味を持ったとかなんでしょうね。

 主たる観客たちは立ちっぱなしが厳しくなった世代ですから、公演中、基本は着席です。しかも、ライブ中にスヤスヤと寝ているおじいちゃん客もいたくらい。ハードロックの轟音が流れているのに……。

 ファンのことを“永遠のキッズ”などと呼ぶこともありますが、現実はそんなに甘いもんじゃありません。VIP席のうたい文句が、「トイレに近い」ことをアピールするライブもあるくらいです。年を取ると、アーティストの一挙手一投足を見逃さない席よりも、トイレに近いかのほうが重要ですからね……。

 高市さんに不満な方々は、何に対しても批判の目を向けたくなるのでしょうが、肝心のメンバーたちは一国の主の歓迎がうれしかったのではないでしょうかね。

谷本真由美 たにもと・まゆみ 1975年、神奈川県生まれ。著述家。元国連職員。ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連専門機関、外資系金融会社を経て、現在はロンドン在住。X上では、「May_Roma」(めいろま)として舌鋒鋭いポストで人気を博す。著書に『世界のニュースを日本人は何も知らない』シリーズ(ワニブックス【PLUS】新書)など著書多数。