先制されても逆転し、接戦でも負けない――。セ・パ交流戦も終盤に差し掛かるなか、巨人がこれまでにない粘り強さを見せている。その変化の裏には、橋上秀樹監督代行の新戦術と巧みな発信術があった。
セ・パ交流戦において、巨人は6月7日時点で7勝3敗2分と4位。ソフトバンク、西武、日本ハムとの優勝争いに加わっている。直近では、オリックスを3タテ。6月2日はキャベッジの2ラン本塁打、3日は丸佳浩の代打逆転満塁弾、4日はキャベッジの同点ソロと泉口友汰の勝ち越し打で、いずれも劇的な逆転勝利を飾った。この粘り強さは続くロッテ戦でも発揮され、6日は8人の継投を見せ、翌7日も約4時間の激闘の末に2戦連続で引き分け。4勝0敗2分の負けなしウィークとなった。
この好調の背景には、阿部慎之助前監督時代から変化した戦術と、周囲のモチベーションを高める巧みな発信術が存在していると見られている。
「橋上監督代行になってから、オーダーの組み方が大きく変わりました。若手をやみくもに抜擢するのではなく、調子を最優先した選手起用が的中している。ネット上では『逆転の橋上』『負けない橋上』というフレーズが踊っています。オーダーに関しても、橋上監督代行が独断で決めるのではなく、川相昌弘コーチがある程度決めたベースに対して微調整を加える形を取っているようで、4日に小林誠司を初めてスタメンマスクで起用したのも、バッテリーコーチからの提案を柔軟に受け入れた結果です。周囲の意見を広く聞き入れる姿勢が、現在のチームの風通しのよさに繋がっているように感じますね」(スポーツ紙記者)
さらに戦術についても、ホームランを期待するのではなく、手堅く1点を奪いに行く姿勢が表れている。
適材適所の“ノーストレス打線”
「試合を細かく見ていくと、毎試合のように野手にバントを課しています。また、走れる選手を限定し、積極的に盗塁させる一方で、エンドランや機動力を駆使して仕掛ける場面はそれほど多くありません。三振の多かったキャベッジを1、2番ではなく6番に据えていることも、ファンから『ノーストレス』だと支持されています。
投手についても阿部前監督の代名詞だった『マシンガン継投』は影を潜め、竹丸和幸、井上温人が完投したように、先発投手にできるだけ長いイニングを任せようとしている。井上の完投翌日に田中瑛斗が『めっちゃデカかったです。ああいうのが月に1回でもあると、ありがたいですね』と感謝していましたが、負担が減ることでさらに『鉄壁のリリーフ陣』が負けない終盤を作っています」(同前)






















