6月10日、阪神タイガースの藤川球児監督(45)が現役時代を含めて、NPB(プロ野球機構)試合で初の退場処分を受けた。先日は森下翔太選手(25)が球審のストライク判定に抗議して退場と相次ぐが、今回は「ビデオ判定」をめぐってーー。
福岡ソフトバンクホークスとのセ・パ交流戦を6-2で落として、セ・リーグ首位陥落となった阪神。ファンもフラストレーションを溜めた試合で、怒りを爆発させたのが7回表の阪神の攻撃でのプレーだった。
一塁走者の熊谷敬宥選手(30)が盗塁を試みるも際どい判定はアウト。これに藤川監督が「リクエスト」を要求し、審判団によるリプレー検証が行われた。何度も確認されたのだろう、長い時間をかけて検証された答えは、覆ることなくアウト判定。
このビデオ判定にも納得いかずに食い下がる藤川監督だったが、リクエスト後の異議申し立ては認められていない。審判から退場処分が下されると、指揮官は怒りをあらわにベンチ裏に下がるのだった。
この判定にブーイングを浴びせたのが、みずほペイペイドームのレフトスタンドを埋め尽くした阪神ファン。ところが、そんなファンの溜飲を下げる“フェアプレー”を、相手チームであるソフトバンク選手が見せていた。
長いリプレー検証がなされる間、レフトの守備位置で待機していた近藤健介選手(32)にかけられたのが、阪神ファンからの「近ちゃん、どっち?」とアウトかセーフを尋ねる声だった。
「セーフ」ジェスチャーで答えた近藤
すると、手を横に広げて控えめに「セーフ」のジェスチャーで答える近藤。この敵味方関係ない“公平”ジャッジに、レフトスタンドから拍手と「近藤コール」が沸き起こったのだ。ところが結果はアウト。これに近藤も「マジ?」とばかりに天を仰いで驚き、阪神ファンに苦笑いを見せたのだった。
「私も“空タッチ”に見えましたが」とは、在阪球団を取材するスポーツライター。
「ドーム内のスクリーンでも、問題のプレー映像が何度もリプレイされましたが、方々から“ああ、セーフだ”との声が聞こえました。阪神ファンも、そして近藤選手も映像をもって確信していたものの、審判団による判定が覆らなかった。
NPBは2026年シーズンから、新たに『リプレーセンター』を設置して、より精度の高いビデオ判定を実施しています。おそらく場内映像では捉えきれなかった、別角度の視点ではタッチがなされたとの判断だったのかもしれませんね」
この日、2本のホームランを打って阪神ファンを沈黙させた近藤だったが、退場劇の裏に放った“援護弾”はレフトスタンドを沸かせたようで。





















