上皇后美智子さまが語る旅行
同年10月、40歳の誕生日を前にした記者会見で、上皇后美智子さま(当時、皇太子妃)はこの旅行について次のように語っている。
《「本当に良かった。昔からそうだったが、(旅行に行ったからといって)激しく変わるような人ではないのです。じわじわと自分のうちに蓄えてゆくと思う。一方では、物足りないような気もしますが…。オーストラリアの人のおかげで、温かいもてなしを受け、良い経験だったということが傍からもうかがえます(略)」
記者、「旅行で大きく成長されたと…」
「浩宮は普通の家庭を全然知らない。外を自由に歩くとはどういうことか想像していると、現実よりそれが大きく膨らむものです。一般の家庭でも、そんな完全な自由はない。今回の旅行で、自由というものの一端に触れ、それがわかったのではないでしょうか。自信というと言葉が強すぎるかもしれないが、自信を持ち、自分の立場がわかったと思います。(略)私一人の感じでいえば、浩宮の人柄の中に、私でも習いたいというような美しいものを見出しています。浩宮を大切に思っているとしか申し上げられません」》
この本や当時の新聞などを読み返すと、皇太子妃時代の上皇后美智子さまは、かなり積極的に発言している。それらの発言が共感を呼んで、国民との信頼関係をより深めている。
一方、適応障害と発表された皇后雅子さまは、いまだ回復の途上にあり、その肉声を国民が聞く機会はかなり限定されている。
例えば、愛子さまもまた「普通の家庭を全然知らない」だろう。普通の生活を知る皇后雅子さまは、これをどのように受け止め、どう対処したいと考えているのか。多くの国民は知りたいと思う。
時代が違う、SNSなどで批判をされたくない、と言われてしまえばそうかもしれない。しかし、雅子さまの肉声を聞けないのは本当に残念である。そして、佳子さまにも、直接、国民に語りかける機会を増やしていただきたいと、私は願っている。
<文/江森敬治>

















