6月18日、ワシントン・ナショナルズ傘下の2Aチームから日本球界復帰を決めた、小笠原慎之介投手(28)が読売ジャイアンツに入団。会見では「(誘いの)熱意が熱かった」と、“出戻り”先に巨人を選択した理由を明かした。
自身の「夢」を叶えるため、中日ドラゴンズからポスティングシステムを利用してのメジャーリーグ挑戦を容認してもらい、2025年1月にナショナルズと2年契約を締結。NPB通算45勝左腕の更なる飛躍が期待された。
ところが1年目を23試合(先発は2試合)に出場してわずか1勝、防御率6.98で終えると、2年目はマイナーリーグ3Aからスタートし、ここでも結果を残せずに2A行き。厳しい現実に「夢」から覚めたのか、シーズン半ばにして帰国を決意した小笠原。
本来ならば、メジャー挑戦を後押ししてくれた古巣に復帰するのが“筋”とも言えるが、かつて北海道日本ハムファイターズからポスティング移籍した有原航平投手(33)や上沢直之投手(32)のように、大型契約で迎えたライバル球団・福岡ソフトバンクホークスに移籍した例もある。
NPBが定める現制度上、何ら違反もしていないだけに批判される筋合いはないが、会見で中日からのオファーを問われた際に「あまり詳しいことは相手様のことがあるので」と、言葉を濁したことから本人も少なからず後ろめたさはあるようだ。
しかし、仮に中日球団からのオファーを拒否しようとも、またFA(フリーエージェント)権を取得していなくとも、ポスティング移籍を経た現在は「フリー」の身だけに、彼がどのチームを選択しようとも自由。それが現行ルールだ。
ならば中日時代の年俸9300万円から、およそ倍増の1億8000万円(推定)を提示してくれた、「熱意が熱かった」巨人を選ぶのも道理。短いプロ野球人生で「カネ」をとりに行くのはプロとして当然の判断と言えよう。
さらに小笠原は、ナショナルズからも2年総額350万ドル(約5億4300万円)を得ている。シーズン半ばの移籍だけに、“オプトアウト”等の何らかの契約事項があった可能性もあるが、それでも多少の減額あったとしても大金を手にしたことは確かだ。
ルールに則って入ったんであれば
そんな元後輩の“出戻り”巨人移籍に、中日のエース左腕・大野雄大投手(37)も反応。報道陣にコメントを求められると、
「まぁルールに則ってジャイアンツに入ったんであれば、やっぱりそれはそれで良かったんじゃないかな。彼の野球人生が豊かになるんであれば、それを応援したい」
とのエールを送った。これまで球団とは“銭闘”を続けて2020年に3億円プラス出来高の3年契約、2024年は1億2000万円、2025年には1億7000万円と増減額を繰り返しながらも、プロ生活16年で通算102勝を積み上げてきた大野。
それだけに「人生が豊かになる」の言葉に重みが感じられるエールだった。
すでにネット上では《小笠原式FA》なる言葉も生まれている。今後もポスティングのたびに物議を醸しかねない“出戻り”移籍だが、プロとして「カネ」を優先する選択が間違いでないことを、文句を言わせない活躍を披露して後輩たちに示してほしい。





















