女性皇族の住民基本台帳への適用は“一般人に近い”と印象付け
さらに、この問題を受けて国連のハク事務総長副報道官の発言も波紋を呼んだ。
「グテレス事務総長の見解として『全ての国に対し、あらゆる地位や職業において女性の権利向上につながる包摂的な政策を奨励する』と言及しました。国際社会からも、皇室における女性の権利向上などに注文がついた格好となっています」
将来に禍根を残す形となった今回の改正について、象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院の河西秀哉教授はこう指摘する。
「女性皇族が残ったことで将来的な女性・女系天皇への道が完全に閉ざされたわけではないという見解もあり、可能性はゼロではないと考えます。しかし、婚姻後の女性皇族を住民基本台帳に適用するとしたことで、“一般人に近い存在”と印象付け、結果として女性・女系の可能性を排する口実を作ってしまったという捉え方もあります。政府は“ローンを組みやすくするようにするため”という理由付けをしていますが、それは婚姻後の女性皇族が、まるで皇居や御所に住まないことを前提にしているかのように映ります」
そして、繰り返し強調されている“悠仁さままでの皇位継承をゆるがせにしない”というフレーズにも疑問を呈する。
「その言葉を前提条件として議論が進められましたが、“揺るがせにしない”とは一体何を意味するのでしょうか。悠仁さまは皇太子ではなく、現時点で決まっている継承順位に過ぎません。このような言葉が周知の事実のように用いられる背景には“愛子天皇は絶対に認めない”という意図を感じざるを得ません。皇位継承順位2位だった方が3位へと変更された経緯もある中で、“揺るがせにしない”というフレーズには大きな違和感を覚えます」
盛り込まれた女性皇族の待遇と養子案とのどちらも国民に不満を残す形での改正となった。
「改正皇室典範は24日に公布されました。施行自体は3か月後の10月24日と予定されています。あまりにも不誠実な進め方に“その間にやりなおせ”という声もあるほどです」(全国紙社会部記者)
こうした国民の思いは大切にするべきだと、静岡福祉大学の小田部名誉教授は強く説く。
「“白紙に戻せ”という声と姿勢は、その実現性の有無にかかわらず、今後も大事にするべきものと思います。すべてを『白紙』に戻さなくても、女性皇族のお相手とお子さまを皇族とすることへの修正や養子の相手を旧宮家の男子に限定することの違法性の追及などで、部分修正することからはじめる道もあると思います。そして、長子優先の皇位継承の道が正しい道であることを示す改正案をつくり、それを議会で通過させることが大事になります」


















