「天皇陛下が話されたことも、もっとも」と秋篠宮さま

 改正皇室典範では、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持することや、旧宮家の15歳以上の男系男子で、配偶者と子どもがいない場合、養子に迎えて皇族にする制度が創設された。特に、旧宮家からの養子については、私の周囲でも違和感を覚える人が少なくない。

「私も生身の人間なんですよね」というとおり、秋篠宮さまは喜怒哀楽のある一人の人間である。日々、新聞やテレビ、ネットニュース、それに世論の動向などから「いろいろと思うところは、もちろん」あるのだ。

 しかし、秋篠宮さまは皇位継承順位第一位であり、次の天皇陛下となる重い立場にある。長男で筑波大学2年生の悠仁さまは皇位継承順位第二位で、秋篠宮さまの次の天皇陛下となる。だからこそ、改正皇室典範についてのコメントを求められれば、「制度に関わることでありますので、控えたい」と発言するしかできないのである。生身の人間としての自分と皇嗣殿下である自分との間で、終始、揺れ動き、悩む秋篠宮さまだが、「やっぱり、世の中って進歩していくことが大事ですから」との発言に私は救われる思いがしている。

 今年6月、天皇陛下はオランダ、ベルギーを公式訪問する前の記者会見で、次のように述べている。

「皇室のあり方や活動の基本は、国民の幸福を常に願い、国民と苦楽を共にすることだと考えており、こうした皇族数の確保のあり方についての議論においても、国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります」

 この発言について、秋篠宮さまは、「先般、天皇陛下が話されたことも、もっともだと、そのとおりだと私は思っています」と素直に同意をしている。

 改正皇室典範の議論について、多くの国民の理解や支持が得られていないのではと、当事者である陛下も秋篠宮さまも、おっしゃりたかったのではないだろうか。このことは、今回の皇室典範改正を進めてきた高市早苗首相や政府・与党の人たちの責任が大きいように思う。当事者の考えや意向を十分、把握した上での改正だったのだろうか。やればできたと思うだけに残念でならない。

えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に2025年4月刊行の『悠仁さま』(講談社)や『秋篠宮』(小学館)など